【叶わなかった甲子園の夢】チームの絆をつなぐサプライズプレゼント

【叶わなかった甲子園の夢】チームの絆をつなぐサプライズプレゼント

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このサプライズに使用されたアイテム

甲子園を目指していた夏。

カキィ―――ン!!

球場に響き渡ったその音で、私たちの夏は終わりました。

私は、野球部のマネージャーをやっています。
1年生の時に部に入ってから3年間、暑い夏も寒い冬も、部員たちと一緒に頑張ってきました。

マネージャーの仕事は想像以上に辛く、1年生の時は仕事ができずによく泣いていました。
でも、野球が好きだし、部員のみんなも大好きだったので、辛くても続けることが出来ました。

3年になり、いよいよ最後の夏。

部員、マネージャー、監督。
チーム一丸となって、「絶対に甲子園に行こう!」と毎日練習に励んできましたが、9回裏、逆転の本塁打が響き渡る中、悔しさと今日までの日々が終わりを告げた物寂しさで涙がこぼれました。

最後の試合から1週間が経ちました。

後輩たちへの引継ぎも終わり、私たちはいよいよ受験一色の日々を迎えようとしています。
だけど、野球漬けの毎日が終わってしまった喪失感は、そう簡単には拭えないです。

廊下ですれ違った時も、どこかみんな元気がなさそう…

こんな時こそ、マネージャーの出番だ!
そう思いました。

私は、みんなに元気を出してもらえるようなサプライズプレゼントを渡すことにしました。

数日後、私はみんなを呼び出しました。

部室の前に集まった3年生部員たち。
グラウンドでは、真っ黒に焼けた後輩たちが、変わらず練習をしています。
先輩たちの姿に気づいて、笑顔で手を振っている部員もいます。

私も笑顔で手を振り返した後、みんなに向かって切り出しました。

「みんな、来てくれてありがとう!
今日は伝えたいことがあって集まってもらったの。」

改めて、みんなに伝えるのはなんだか緊張して、声が上ずってしまいました。
そんな私に、部員たちも少し緊張した面持ちです。

「あのね……

甲子園、残念だったね。
でも、みんなで過ごした3年間は、私にとってかけがえのないものだったよ。

あの日、私たちの夢は終わっちゃったけど、これからはまた、それぞれの夢に向かって一緒に頑張っていきたい!
野球部としての活動は終わったけど、これからも私たちはずっとチームだよ!

だから、負けたあの日も私たちにとっての最高の思い出として、これからまた一緒に受験勉強、頑張っていこう!」

もう、最後の方は、涙がとめどなく溢れてきて、きちんと言葉として伝えられてるか分からないほどだったけど、部員のみんなも涙をためて聞いてくれていました。

「そうだな!
いつまでもくよくよしてたらダメだよな!」
キャプテンだった梶山くんが、大きな声でみんなに呼びかけました。

「これから受験で大変だろうけど、俺らには野球やってた3年間がある。
どんなにしんどいことでも、きっと乗り越えていけるよ!
な、みんな!」

その言葉に、部員たちも涙目でうなずいていました。

みんなに笑顔が戻ったのを見て、私は、準備していたプレゼントをカバンの中から取り出しました。

「実はね、プレゼントがあるんだ。」

それは、チームのユニフォームにそれぞれの名前と背番号がデザインされたキーホルダーでした。

「これ、チームの絆としてみんなに。
今まで本当にありがとう。これからもずっと、よろしくね!」

お揃いのキーホルダーをつけて、私たちはまた、新しい目標に向かって頑張っています。