【おばあちゃんからのプレゼント】サプライズで贈られた夏祭りの思い出

【おばあちゃんからのプレゼント】サプライズで贈られた夏祭りの思い出 まだ評価がありません

187

このサプライズに使用されたアイテム

大好きなおばあちゃん

両親は共働きで、小さいころから面倒を見てくれていた民子おばあちゃん。
私はおばあちゃんのことを「たみちゃん」と呼んでいて、おばあちゃんは「えっちゃん」といつも優しく笑いかけてくれました。

ある日、いつも通り学校帰りにおばあちゃんの家に行くと、ちょうど衣替えをしているところでした。

「えっちゃん、いらっしゃい」
と笑顔で迎えてくれたおばあちゃん。
そのおばあちゃんの膝元に広げられた洋服の中に、立派な桐の箱がありました。

「たみちゃん、これなぁに?」
「これかい?これは、おばあちゃんが若い時に来ていたものだよ。」
そう言って箱を開けてくれました。

「わぁ~~~~。きれ~~~~い!!」

中には、綺麗な金魚の柄が描かれた浴衣が入っていました。

「懐かしいねぇ。若い時は、これを着て花火大会なんかに行ったんだよ。」
そう言って、その綺麗な布地を取り出して、おばあちゃんは自分にあてがって見せてくれました。

「たみちゃん!すっごく綺麗だよ!」
私の言葉を聞いて、おばあちゃんは少し照れたように笑いました。

「たみちゃん、私も着てみたい!」
おばあちゃんにそう言うと、おばあちゃんはその浴衣を私に羽織らせてくれました。

「わぁ~~~!すてきだね!可愛いね!!」

私はその浴衣がとても気に入って、嬉しくて嬉しくて大きな声でそう言っていました。

「えっちゃんにはちょっと大きいね。」
おばあちゃんがそう言ったのと同時に、仕事を終えた母が迎えに来ました。

「お義母さん、悦子迎えに来ました~」
扉を開けて呼びかける母の声を聞いて、おばあちゃんは、
「えっちゃん、お母さん来たみたいよ。」
と、私が羽織っている浴衣を脱がせてくれました。

私は、その浴衣が本当にきれいで素敵だったので、もっと着ていたい!という気持ちでしたが、名残惜しい気持ちのまま玄関に向かい、母と一緒に帰宅しました。

しばらく経ったある日

夏休みに入り、私は、おばあちゃんの家で見た浴衣のこともすっかり忘れて、毎日友達と遊んでいました。

ある日、友達と遊んだ後、いつも通りおばあちゃんの家に行きました。

おばあちゃんは、変わらない笑顔で迎えてくれて、
「えっちゃん、おばあちゃんからお願いがあるの。」
と切り出しました。

私が不思議そうに見返すと、
「今度の土曜日、たみちゃんと一緒に夏祭りに行ってくれないかい?
たみちゃん、久しぶりに行きたくなっちゃって。」と。

私は、おばあちゃんと夏祭りに行けるなんて絶対楽しいだろうな!とわくわくして、すぐに、
「うん!行く行く!!」
とうなずきました。

おばあちゃんは嬉しそうに笑って、
「じゃぁ、その時これを着て行ってちょうだい。」
と言って、奥のタンスから、あの金魚の柄が描かれた浴衣を出してきて、私に羽織らせてくれました。

あの大きかった浴衣は、身の丈にぴったりなサイズになっていました。

「えっちゃん、とっても似合ってるよ。」
おばあちゃんはそう言って、にこにこと私を見ていました。

あの日、私が浴衣をとても気に入っていたので、私の身長に合わせてリメイクしてくれていたのです。

丈のあった浴衣は、自分のためだけの特別な存在に思えたし、私のために仕立て直してくれたおばあちゃんの優しさに、飛び上がりたくなるほど嬉しくなりました。

「たみちゃん!ありがとう!!」

私は、おばあちゃんに抱き着いていて喜びました。

夏祭りの思い出

おばあちゃんは、浴衣のほかに、子供用の下駄と、可愛いかんざしを準備してくれました。
金魚の浴衣を着つけてもらって、花のかんざしを挿した私は、大好きなおばあちゃんと手をつないで、カランコロンと下駄を鳴らして歩きました。

ヨーヨー釣りをしたり、リンゴ飴を食べたり、とても楽しい夏祭りでしたが、何よりおばあちゃんがリメイクしてくれた金魚の浴衣を着ている自分は、いつもの自分ではなくお姫様にでもなったような気持ちで、世界中がキラキラして見えました。

そんな私を優しく見守ってくれたおばあちゃんの笑顔と、あたたかな手の温もりは今でも大切な思い出です。

あれから、25年が経ちました。
大好きなたみちゃんの浴衣は、今、私の娘のお気に入りになっています。

Customer Review

このストーリーの魅力を評価してください。

クリックして確定後「評価する」ボタンから送信してください。

タイトル