【母から娘へ】初産のお祝いに…故郷のぬくもりが伝わる木製おもちゃのプレゼント
文章
この物語はフィクションです。アレンジやマネできるアイデアであなたのサプライズをお手伝い!
「ナミ、お義父さんとお義母さんから荷物が届いたよ」
「何かな? 開けてみよう」
箱を開けてみると可愛らしい、木でできたおもちゃが入っていました。
それは先日生まれたばかりの息子への両親からの贈り物でした。
「わぁ、可愛い!」
「大きくなって一緒に遊ぶのが楽しみだね!」
そう二人で言いながらトレーの中のお魚を手に取ってみると、その下に何か白い紙が入っているのに気づきました。
「あれ、何だろう? 取扱説明書かな?」
そう思い開いてみると、それは――。
父が私へと宛てた手紙でした。
思わずこみ上げるものを感じながら中身を読み終えた私は、 すぐに父に電話をかけることにしました。
ここまではプレゼントを受け取った日の娘のお話。
今回は、父から娘へ出産祝いに贈ったサプライズプレゼントのアイデアを、父の目線からご紹介します。
わたしは広島に住む60代、男性。
去年、長年勤めた会社を定年退職して、昔からの趣味だった釣りに勤しむ日々を送っています。
料理好きの妻は、
「またこんなに釣ってきて! 捌くほうの身にもなってよ!」
と言いながらも、お造りや煮つけなど腕を振るってくれます。
そんなわたし達夫婦には、一人娘がいます。
名前はナミ。
地元の大学を卒業後、東京の企業に就職し、そこで知り合った同僚のワタル君との交際をへて結婚。
もうすぐ待望の初孫が生まれる予定です。
出産後はワタル君が1ヵ月の育休を取得するため、里帰り出産はせずにふたりで協力して産後を乗り越えることに決めたらしい。
(自分達の時代では育休なんて考えられなかったなぁ……)
自分にもなにかしてやれることはないだろうか。
そう考えました。
生まれてすぐに会いに行くことはできないので、何かプレゼントを送ろうと妻と話しました。
しかし、プレゼントを送ろうと決めたものの、何が良いのかさっぱり見当もつきません。
必要なものは自分達で揃えているだろうし、ベビーグッズは自分達の好みで選びたいだろうと妻から言われさらに悩むことに。
とりあえずインターネットで何かないかと調べていると、木でできた釣りとおままごとを楽しめるおもちゃを見つけました。
見た瞬間に「コレだ!」と、直感的に感じました。
天然のヒノキを使用していて、木のぬくもりを感じられる。
さらには舐めても大丈夫なように無塗装で仕上げられているので、赤ちゃんにも安心。
すぐに妻を呼び寄せて、
「コレにしようと思ってるんだけど、どうだろうか?」
「あら! 凄くいいじゃない!」
とふたりの意見も合ったのでプレゼントすることに決めました。
このおもちゃを選んだのには、自分の趣味が“釣り”だったこともありますが、それ以外にも理由があります。
それは商品の紹介文に書かれていた『親子のコミュニケーションにぴったりのおもちゃ』との一文。
これを読んだ時に、娘ナミが中学生の頃の出来事を思い出しました。
中学生になった娘は思春期に入り、親子の会話も以前に比べてグッと減っていたある日のことでした。
いつものように休日に釣りに行こうとしていた時に、
「どうだ? 久しぶりに父さんと一緒に釣り行くか?」
と、たまたま部活が休みだった娘に少し冗談交じりで声をかけました。
すると少しめんどくさそうに考えたあとに、
「一緒に行ってもいいよ」
と、そして何年ぶりかに娘と一緒に釣りに行くことになりました。
娘とは特別に何か会話をするわけでもなく、わたしが釣りをしている横で娘はその様子を見ているだけでした。
それでも、久々の親子水入らずの時間が嬉しく堪らなかったのを覚えています。
「これ、なんて言う魚?」
「それはハマチだよ。煮つけにすると旨いんだ」
「ふーん……」
そんな何気ない会話をポツポツと交わしました。
そして釣った魚を持って帰り、妻に渡したあとに娘が、
「お母さん、煮つけの作り方を教えて欲しい」
と言いながらふたりでキッチンに肩を並べました。
その日の晩ご飯は、妻と娘が一緒に作ったハマチの煮つけ。
「はじめてにしては上手じゃないか! ナミは母さんに似て料理のセンスがある」
そう言うと娘は照れ臭そうに笑いました。
この日の出来事はわたしにとっては『釣り』妻にとっては『料理』を通して、思春期の娘と『親子のコミュニケーション』の時間を持つことができた、思い出の一日だったのです。
そして予定日を2日過ぎた頃、娘は出産を迎えました。
娘から陣痛がはじまり病院に向かっていると連絡を受けてから約8時間、娘の夫のワタル君から、
「生まれました! 母子ともに健康です」
と連絡を受け、妻と手を取り合い喜び合いました。
待望の初孫は元気な男の子。
送られてきた写真は、娘の赤ちゃんの時にソックリでした。
妻と選んだプレゼントは、娘が退院して自宅に戻る日に届くように発送をしました。
「お父さん、プレゼント届いたよ! ありがとう!」
「無事届いて良かったよ! 退院おめでとう」
退院した日の夜に、娘からテレビ電話がありました。
「見た目も可愛くって嬉しい! それと、まさか手紙まで入ってるなんて……。 ありがとう」
プレゼントの中に隠しいれた手紙には、あの日一緒に釣りに行ってくれて嬉しかったこと、はじめて作ってくれた煮つけがとても美味しかったこと、そして、娘であるナミのことを心から誇りに思っているということを綴りました。
改めて直接伝えるには照れくさくて恥ずかしいけれど、自分たちの娘として生まれてきてくれたナミが、立派に母親になる喜びを手紙にして伝えることにしたのです。
「あの日のこと、覚えていたか?」
「もちろん覚えてるよ! だって今でもわたしの一番の得意料理は、ハマチの煮つけだよ」
娘は気持ちよさそうに眠る、孫の顔をこちらに映して言いました。
「この子が大きくなったら、釣りを教えてあげてね。お父さんに似て、釣りが上手になるかもよ!」
「いやいや。今の時代、料理が上手な男もわるくないぞ」
娘とわたし達夫婦の親子のコミュニケーションだった『釣り』と『料理』。
わたし達から娘へ、その次は娘達夫婦から孫へと受け継がれていったら嬉しいと思っています。
そして内心やっぱり、いつか孫と一緒に釣りに行ける日が来れば良いなと期待をしているので、その日まで夫婦二人健康で居ようと妻と誓いました。
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