サンタさんの存在を信じて疑わない子どもたち
気づけばもう12月。
年の瀬という実感が湧いていなかった私ですが、いつものスーパーへ買い物に出かけたとき、ふと店舗内でクリスマスソングが流れていることに気がつき、『そっかぁ、もうすぐクリスマスだ!』と急に楽しくなってきました。
大人も子どもも何だかワクワクするこの季節。
我が家には、元気いっぱいな子どもが2人います。
来年小学生になる6歳の季穂と、幼稚園に通う5歳の健太です。
2人はまだまだサンタさんの存在を信じている純粋なお年頃。

昨年はサプライズでサンタさん(に扮した夫)から自宅に突然電話がかかってきて、
「ママ、サンタさんから電話がかかってきたよ!」
と、二人は大興奮でした。
このときの二人の様子を写したムービーは、あまりのかわいらしさに今見てもクスッと笑いが出てしまうほどです。
いつかはサンタさんの真実を知るときが来てしまうのでしょうが、今はそんな純粋な気持ちを大切にしてほしいと思っています。
なので、今年も子どもたちの心に残るようなクリスマスらしい演出を何かしてあげられたらと考えていました。
ジグソーパズルを使ったクリスマスサプライズ作戦
『ねぇ、パパ。今年のクリスマスは何する?』
「うーん、そうだなぁ。去年は俺がサンタ役をしたけれど、もういつバレてもおかしくない頃だよなぁ……」
子どもたちが寝静まってから夫と何度も作戦会議を開いたのですが、なかなかいいアイデアが思いつきません。
一方、子どもたちは準備万端で、すでにサンタさんにお願いするプレゼントを決めているほど。
階段下に飾ってあるクリスマスツリーにはいつの間にか、まるで七夕の短冊のように、
『ネイルセットのおもちゃをお願いします・きほ』
『セイバーのへんしんベルトをおねがいします・けんた』
と書かれた紙がぶら下げられていました。
そんなクリスマスツリーを眺めながら、何かいいアイデアはないかと模索していたある日。
夕飯の支度をしていたときのことでした。
いつもはふざけあったり喧嘩したりと、何かとギャーギャーうるさい二人。
けれど今日はとっても静かです。
不思議に思ってキッチンからリビングを覗いてみると、二人はもくもくとパズルに取り組んでいるところでした。
もともと季穂が手先を使う遊びが好きで、レゴやパズルなどがとっても得意。
少し前までは健太が邪魔をして喧嘩になってしまうパターンがお決まりだったのですが、最近はお姉ちゃんの姿を見て、健太もパズルに興味が湧いてきたようです。

そんな二人の姿を見てピンときた私は、早速夫に相談。
『ねぇ、クリスマスのことなんだけど、ジグソーパズルでサプライズするのはどう?』
「ジグソーパズルでサプライズ? 一体どうやって?」
『パズルの中の1ピースにだけ、メッセージを書いておくの。例えばプレゼントの隠し場所を書くとか。最近二人ともパズルにハマってるから、上手くいくと思うんだよね』
「なるほど、それはいいアイデアかもしれないなぁ。すぐにプレゼントがもらえない分ワクワクするだろうし、楽しいクリスマスにしてあげられそうだね。さすがママ!」
『へへへ、我ながらいいアイデア思いついたと思ってる(笑)。じゃあ決まりね!』
なぞなぞ要素をプラスしてさらにワクワク感を
早速、演出で使うパズルをネットで購入しました。
いろいろ種類があって悩みましたが、ここはクリスマス感を出すためにサンタさんの絵柄のものに決定。
そして1ピース選び、裏側にメッセージを書きこみます。
『おようふくがいつもひなたぼっこしているばしょはど~こだ』
隠し場所をダイレクトに書いてしまうよりも、簡単ななぞなぞ形式にした方がより楽しめると思ったので、季穂と健太が分かるような問題を一生懸命考えました。
そして、肝心なプレゼントの隠し場所についてとても迷ったのですが、ベランダならきっとなぞなぞを解くまで二人は気がつきません。
雨や風で汚れてしまってはいけないので、プレゼントを置くのは当日の朝です。
ベランダにプレゼントを置くと決めてから、毎日祈るように天気予報を確認していた私。
ありがたいことに、当日は朝から晴天でした。
それに外に置いてあると、サンタさんがお空から来てくれた感じも演出できそうな気がします。
そしてもう一つ。
開くとクリスマスソングが流れるメッセージカードにサンタさんからのお手紙を書きました。

『季穂ちゃんと健太くんへ。メリークリスマス!
今年も二人はとってもいい子で過ごせたね。だから二人が欲しがっていたプレゼントを用意したよ。
でも今年は枕元じゃなくて、おうちのある場所にプレゼントを隠しています。
季穂ちゃんと健太くん、二人で協力してこのパズルを作ってみてね。
パズルが完成したら、きっと隠し場所が分かるよ!
それでは素敵なクリスマスをパパとママといっしょに過ごしてね。
サンタクロースより』
これを見たときの二人の反応を想像してワクワク。私も12月25日が待ち遠しくなってきました。
いよいよクリスマスサプライズ作戦を実行へ
いよいよ12月24日、クリスマスイヴです。
「クリスマスプレゼントは明日届くの?」
「サンタさん、おうちちゃんと分かるかなぁ?」
二人は明日の朝が待ち遠しくて仕方ない様子です。
興奮してなかなか寝付けず、22時前頃にやっと就寝。
子どもたちがぐっすり寝入っている頃を見計らって、夫と一緒にメッセージカードとパズルを二人の寝ている枕元に置きました。
「明日の朝はきっと騒がしいぞ~」
『二人が喜んでくれるといいね』
次の日の朝。
昨日いつもより遅く寝たにも関わらず、朝6時頃に興奮した二人にたたき起こされました。
(朝5時頃に起きて、プレゼントは設置済み! 無事バレずに作戦決行です)
「パパ、ママ! これ見て! サンタさんからお手紙が届いてる!」
『わぁほんとだ。サンタさん来てくれたんだね。よかったね! お手紙にはなんて書いてあるの?』
二人にバレないように私も驚いたような表情を見せます。
「このパズルを完成させなくちゃダメなんだって! だから今からやらないと!」
二人は朝ごはんも食べずに、パジャマのままパズルを作り始めました。
そしてしばらくたった頃。
「あれ? 最後の1枚がない! どこかに落としちゃったかな?」
と二人が焦り始めます。
すると夫が上手に演技をして、
「え~? どこに行っちゃったんだ? テーブルの下とかもちゃんと探してみな」
と最後の1ピースを一緒に探すフリをします。
でも、実ははじめから最後の1ピースを取っておいて、昨日テーブルの下に隠していたのです。
二人がメッセージに気づくように、わざと裏返しで。
「あ、あった! やっぱり落ちてた」
健太が最後の1ピースを拾います。そしてメッセージに気がつきました。
「あれ? ねぇお姉ちゃん。なんか書いてあるよ……? “おようふくがいつもひなたぼっこしているばしょはど~こだ”だって」
二人はしばらく、う~んと考えるポーズを取り、季穂がすぐにひらめきました。
「分かった! ベランダだ!」
場所が分かったとたん二人はドタバタと二階のベランダへ。
そしてまたすぐドタバタと一階に降りてきました。
「パパ、ママ~! あった! プレゼント、ベランダに置いてあったよ!」
『開けてみたら? 二人が欲しかったものサンタさんちゃんと分かってくれたかな?』
「あー! これ私が欲しくてサンタさんにお願いしたやつ」
「お姉ちゃん、僕のも変身ベルトだよ!」
季穂も健太も目をまん丸にして、大興奮。そしてもらったおもちゃで早速遊びながらとっても嬉しそうです。

今年も二人の喜ぶ顔が見られてよかった。
夫と目配せをして、私たちも喜びを噛みしめます。
いつの日か、二人に来てくれていたサンタクロースが実はパパとママだったことを知るときが来るでしょう。
けれど、私たちがプレゼントした思い出がこの子たちの心の中にずっと残っていてくれたらいいなぁ。
これからも、子どもたちがサンタさんを信じてくれている期間は、夫と全力でクリスマスの思い出作りに励みたいと思っています。