お酒好きな父と夫に贈る「オンライン父の日」のプレゼントアイデア
文章
この物語はフィクションです。アレンジやマネできるアイデアであなたのサプライズをお手伝い!
私の父は大工職人。
父の両親は小さい頃に離婚をしており、父自身は母子家庭で育ってきました。
母親の苦労する姿を見てきた父は、大学には行かず18歳で大工として弟子入りし、働くことを決意したそうです。
そんなたたき上げの大工として働いてきた父は、根っからの職人気質でとても厳しい人でした。
そのため、父に叱られたときは、いつも一撃で大泣き(笑)
けれど、私にとって父は怖い存在ではなく自慢の存在。
小さい頃、母に連れられて父の働く現場をよく見に行っていたのですが、力強く釘を打ち付ける様や高いところで平然と仕事をこなす父の姿はとてもかっこよく見えました。
また、私が当時住んでいた家も父が手掛けたもので、友達が遊びに来るたび「この家、お父さんが作ってくれたんだよ!」と自慢していたことを今でも覚えています。
しかし、そんな風に思っていたのは小学生の頃まで。
中学生になると「みんなのお父さんはパリっとスーツを着て爽やかなのに、うちのお父さんは作業着なうえ、いつも汗だくで何だか暑苦しい感じ。友達にはあんまり会わせたくないな」などと、考えるように……。
成長とともに、大工という職業に少し抵抗を持つようになっていきました。
そして反抗期もあり、私は徐々に父を避けるようになっていったのです。
父に対する想いが変わり始めたのは、私が大学生になってすぐの5月頃のこと。
飲食店でアルバイトを始めたことがきっかけでした。
といっても、1日3~4時間程度の短時間のものなのですが、いざ働いてみるといつもヘトヘトで、ベッドへ倒れこむように眠る毎日。
そんな中で手にした初給料は、金額以上の重みを感じました。
「やった! これで好きなものが買えるんだ」
と、とても嬉しかったのですが、それと同時に別の感情が頭によぎりました。
「お父さんはたくさん汗を流して稼いだお給料を、いつも私たちのために使ってくれていたんだ。
しかも、50を過ぎた今も身体に負担をかけながら、大工という仕事を続けている」
そう思うと、父の偉大さが改めて身に染みます。
そして、これまで父にとってきた自分の態度を心より反省しました。
しかし、父に反抗的な態度をとるようになってかれこれもう5年以上。
どのように父と距離を詰めればいいのか分かりません。
そんなとき、ふと気づいたのがもうすぐ父の日だということ。
「そうだ! 今年の父の日にこのお給料で何かプレゼントをしよう」
小学生までは父の日に似顔絵を描いたり、ビールをプレゼントしたりしてきましたが、実は中学生以降、父の日をずっとスルーしてきていました。
今年こそは、しっかり感謝の気持ちを伝えなければ……!
とはいえ、父にプレゼントをするといっても、何を渡せば喜んでもらえるのかさっぱり思いつきません。
ネットで検索してみると、釣り道具やスポーツ用品など、趣味に合わせて選ぶのがおすすめと書かれていたのですが、そもそもその趣味がさっぱり分からないのです。
むしろ、父は仕事一筋でやってきた人間。
趣味=大工職と言ってもいいほどです。
かといって、サラリーマンのようにビジネスバッグや手帳、ボールペンなどを持ち歩くこともありません。
プレゼントが決まらず、当日が近づいて焦っていたある日のこと。
私は、仕事を終えて帰宅した父の姿をボーっと眺めていました。
父が肩からぶら下げていたのは、大きな水筒一つだけ。
その水筒はステンレス製のものですが、あちこちデコボコにへこんでいます。
そのときピンときました。
「父の日のプレゼントは、水筒にしよう! これからもっと暑くなるし、仕事で毎日必要なものだからきっと使ってくれるはず」
早速ネットで口コミも検索しながら、父の日に間に合うように注文。
頑丈でなおかつ、おしゃれな見た目の水筒を選びました。
次に悩んだのが渡し方です。
これまで長くそっけない態度をとってきたこともあり、いきなり面と向かってありがとうと渡すのは、ちょっとハードルが高い……。
ああじゃない、こうじゃないと色々なパターンを頭の中でシミュレーションしてみます。
色々と考えた結果、父の日の朝、テーブルにこの水筒とちょっとしたメッセージカードをサプライズで置いておくことにしました。
迎えた父の日。朝7時過ぎが父のいつもの出勤時間です。
6時45分頃、父が作業着に着替えに2階へと上がっている隙を見計らって、用意しておいた水筒とメッセージカードをテーブルにセッティング。
手紙には、
『いつも私たちのために汗を流しながら働いてくれてありがとう。
父の日のプレゼントにこの水筒を選びました。今日はこれにお茶を入れて持って行ってね』
と書きました。
セッティングを終えた後、私は照れ臭かったので自分の部屋に隠れていたのですが、母いわく父は嬉しそうに手紙を眺め、作業着の胸ポケットに手紙をしまって、その水筒を持ちいつも通り出勤したそうです。
そして夜、家族みんなでご飯を食べているときのこと。
父が、
「由里、水筒ありがとう。今日早速現場に持っていかせてもらった。前使っていた水筒が10年級だったから、ちょうどよかったよ。これからは定年まであの水筒で乗り切れるかな」
と、ちょっとはにかみながら話しかけてきてくれたのです。
また、「大学は最近どうだ? 楽しんでいるか?」など、最近の私についても色々聞いてくれ、久しぶりにたわいもない会話のやり取りをしました。
本当にこんな風に会話をするのは、いつぶりだったでしょうか。
横にいる母も嬉しそうにしているのが分かります。
きっと父は、私との距離が縮まる日を待ってくれていたのだと思います。
このことをきっかけに、私も今までのわだかまりが吹っ切れ、今では普通に父と今日あった出来事などを話せるようになりました。
それ以来、父はプレゼントした水筒を毎日持って職場へと出勤しています。
1つの仕事を熱心に何十年も頑張り続けている父を、今は本当に誇らしく思います。
この父の日は、きっと私にとって一生忘れることはできない、特別な記念日となることでしょう。
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