結婚式でサプライズを!口下手な新郎から絵本朗読の感動メッセージ
文章
この物語はフィクションです。アレンジやマネできるアイデアであなたのサプライズをお手伝い!
私・伊藤舞は、転勤族の父と専業主婦の母のもと育ちました。
育った町は、物心ついたときから数えると、北海道、宮城、千葉、新潟、広島の5ヶ所。
引っ越しの度に、友達と離れるのが寂しくてなりませんでした。
今でも、その土地その土地でできた友達の顔が、頭に浮かびます。
18歳で上京してからの東京暮らしも、数えればもう10年目。
家族と離れている寂しさはあるけれど、東京の大学や会社でできた仲間に助けられながら暮らしています。
そんな私も、1週間後に結婚式を迎えます。
相手は、会社の同じ部署で一つ年上の先輩・聡くん。
最初はぶっきらぼうな人だと思っていたけれど、一緒に仕事をするうちに熱意があって一生懸命な姿に惹かれていきました。
交際がスタートして、3年記念日にプロポーズしてくれたときは、「こちらこそお願いします」と涙ながらに即答。
私の家族ともとても親しくしてくれて、両親も聡くんを息子のように可愛がっています。
来週はついに結婚式本番……大切な一日、聡くんとゲストと幸せな時間を過ごしたいな。
楽しみな気持ちと、少し緊張した気持ちとで、胸はいっぱいでした。
挙式前日、式場で最終打ち合わせがあるにも関わらず、「ごめん、急用で今日は行けそうにないんだ」との聡くんからの電話に、私は「明日本番なのに! どうしてよ!」と思わず声を大きくしてしまいました。
たしかに、今日聡くんは会社をお休みしていました。
意気消沈した様子の私を見て、打ち合わせではプランナーさんが「大丈夫ですよ」と優しく言葉をかけてくれました。
「今まで、積極的に準備されてきた新郎さまですもの。明日の本番は元気にいらっしゃいますよ、絶対!」
プランナーさんの温かい笑顔に、張りつめていた心が解けてきて、気づけば目には涙が滲んでいました。
打ち合わせを終えて帰宅後、心許なくなった私は思わず母に電話をしました。
「なに、舞。マリッジブルーになってるんじゃないの!」
一部始終を聞いた母は、笑って「何にも心配いらないよ!」と。
「聡さんのことだもの、ちゃーんとうまくやってくれるよ。信じなさい」と。
(そっか、明日挙式して、私たち夫婦になるんだもの。聡くんのこと信じよう)
私は気持ちを立て直して、明日の段取りをイメージしながら、眠りにつきました。
挙式当日、朝になると、聡くんが家まで迎えにきてくれました。
「昨日は最後の打ち合わせだったのに、本当にゴメン!! もう大丈夫だから、今日は最高の一日にしよう!」
そう言って、聡くんは大きめのギフトボックスを渡してくれました。
「中身は、式場の準備室に入る前に、開けてみて」とウインク。
式場に着き、聡くんと別れた後でギフトボックスを開けてみると、入っていたのは写真が何枚も飾れる大きなフォトフレーム。
添えられていたのは、「ごめん!」と余白に書かれた、謝ってる聡くんのポラロイド写真。
その右上にはQRコードが。
何だろう……と思って、QRコードをスマホで読み取ると、スマホに音声付きの画像が映し出されました。
「舞ー! 昨日は本当にごめん!
でも、これから起こる素敵なゲスト達からのサプライズ、楽しんでね! その“記録”はぜひこのフォトフレームに!」
(素敵なゲスト達? サプライズ?? 何だろう……)
そう思っていると、今度はドレスのハンガーに別のポラロイド写真が。
同い年くらいの女性3人が映っています。
下の余白には「さーや・みか・ゆいこより」の文字。
「もしかして、北海道の小学校で一緒だった、さーやとみかとゆいこ!?」
まさかと思いつつ、同じようにQRコードにスマホをかざすとメッセージが。
「舞ー! 結婚おめでとー!! 会いたいよー!! 今度こっちに絶対来てね!! 待ってるよー!」
本当にさーや達だ。
20年以上経つのに私のこと覚えててくれたんだ……まさかこんなことがあるなんて……。
その後も、
「舞ちゃん結婚おめでとう! たまには宮城にも観光がてら来てね!」
「ハッピーウェディング! 千葉なんて東京から近いんだから、二人で遊びにおいで!」
「舞ちゃんおめでとう! 新潟の新米、今度お祝いに贈るからねー!」
「ご結婚おめでとう! 舞と一緒にまた広島焼き食べたいよ!」
鏡台の横や、アクセサリーケースの中、更にはベールの中にまで、いたるところに、私がこれまで住んでいた地域の友達からの音声つき写真が隠れていました。
ドレスの着付けが終わって準備が整ったところで、両親が部屋に入ってきました。
「パパ、ママ。聡くんがね、私にサプライズで、今まで出会った友達の写真撮ってメッセージ集めてくれてたみたいなの」
「ふふふ、そうみたいね。実は私たち、知ってたのよ。だって、昨日は広島の舞の友達に聡さん会いに来て、終電で帰れなくなって、うちに泊っていったんだもの!」
「えー!!!」
「だから、心配いらないよって言ったじゃない!」
ニコニコする母の横で、
「うちは転勤族だったから、舞には寂しい思いを何度もさせてしまったからな。
地元の友達を挙式に呼びづらくて残念そうな舞を見て、聡くん、こっそり各地を回ったらしいぞ。すごいな」
と父も深く頷きました。
聡くんが、私の知らないところで、こんなに素敵なサプライズ仕掛けてくれていたなんて……。
自然と大粒の涙が目からこぼれました。
聡くんに、たくさんのありがとうを伝えたい。
そして今度は二人で、いくつもの故郷の友達に会いに行こう。
この素敵な人が旦那さんですって、みんなに紹介しよう。
いざ、聡くんの待つ教会へ……これから始まる結婚式、人生で最高の想い出になりそうです。
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