桜を見るたび思い出す……大学入学式の日に息子から届いた一通のサプライズメール

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部活三昧だった我が家の息子

我が家には、もうすぐ大学を卒業する長男がいます。
某スポーツメーカーから無事に内定をいただき、春からは社会人として一歩踏み出していってくれることに大変安堵しているところです。

しかし、そんな息子にも気苦労が絶えない時期がありました。

それは息子がまだ高校生だった頃のこと。

当時は部活に没頭していて、勉強なんて二の次、三の次。
成績も下がる一方で、下から数えた方が早いぐらいでした。

けれど、部活動や仲間たちと過ごす日々から得られるものも、人生においてはかけがえのないものです。
今しかできない経験を大切にしてほしいと思い、内心やきもきしながらも、部活動を引退するまではあまり口うるさく勉強しなさいとは言わないようにしていました。

受験に失敗! 浪人生活がスタート

夏の全国大会出場を目標に毎日練習を頑張っていましたが、残念なことに息子たちはその一歩手前で敗退。
3年生の8月、部活を引退することになりました。

いよいよ受験に向けて勉強に励むのだろう。
そう思っていたのですが、今まで部活動一本で高校生活を送ってきた息子。
なかなか気持ちを切り替えられなかったようです。

引退したにも関わらず部活へ頻繁に顔を出しているようでしたし、部屋に夜食を持って行っても寝ていたり、漫画を読んでいたり……。
そんな息子の姿に主人が大激怒し、小学生のとき以来の雷が落ちるまで受験モードに入れずにいました。

雷が落ちた日以降は、親の目から見ても熱心に勉強に励んでいたように思います。
しかしエンジンがかかるまで時間がかかりすぎたようで、息子の頑張りもむなしく、第一志望校からは不合格の通知が。
しかも、滑り止めにと受けていた併願校すらも合格することはできませんでした。

ただ、私たちが息子を心配した理由は受験に失敗したからではありません。

さぞや落ち込んでいるだろうと思ったのですが、息子は、
「残念だけど、まあ来年受かればセーフセーフ! 1年あれば受かるでしょ」
と呑気な構え。
リビングにあるソファでくつろぎながら、マイペースに漫画を読んでいたのです。

頑張っていたことは主人も重々分かっていましたが、息子のその言葉に、
「自分の努力が足りなかったからだろう。自業自得だ。世の中を甘く見るな。そんな奴が浪人してまで大学に行く資格はない!」
とまたもや雷を落とすこととなり、就職するよう息子へ告げました。

そんな主人に対し、息子は涙を流しながら「もう一度だけチャンスが欲しい」と懇願。
本当は落ち込んでいる姿を私たちに見せたくなかっただけなのでしょう。
私からも主人にお願いし、どうにか浪人生になることを許してもらえました。

その後の1年間、息子は毎日早朝から夜遅くまで必死に勉強。
睡眠時間も十分に取らずに頑張る姿は心配もありましたが、息子の努力がどうか実ってほしいと私も心の底から願っていました。

念願の第一志望校に合格

そして、一年後。
息子は第一志望校に無事合格!
しかもその大学は、昨年狙っていた大学よりも上のランクの大学でした。

家族はみんな大喜び!
中でも一番喜んでいたのは主人です。

主人は九州男児でとても厳しい人ですが、息子の努力を陰ながらにずっと応援していました。
息子には内緒で、受験前に学業の神様として有名な神社まで片道1時間以上かけて足を運んでいたことを私は知っています。

しかし、合格した大学があるのは東京です。
私たちは関西在住なので、息子は大学生になると同時に東京で一人暮らしをはじめることになりました。

合格が分かってからは毎日大忙し。
新居を決めに行ったり、家具や家電の買い出しをしたりとドタバタした日々が続きました。

ギリギリまで準備に追われていた結果、息子が上京したのは入学式3日前のこと。

本当は私たちも入学式に同席しようと思っていたのですが、
「いやいや。恥ずかしいし、遠いからわざわざ関西から来んでええって」
と、息子から言われて断念しました。

1年越しの入学式。
てっきり一緒に行けるものだと思っていた私は少しガッカリしたのですが、それも成長の証です。

遠い昔、泣いて私から離れなかった幼稚園の入園式を思い出して、息子の成長をうれしく、そして少しだけ寂しく感じていました。

入学式を終えた息子から届いた、思いがけないサプライズ

迎えた入学式当日。

私は関西の自宅で、
「そろそろ入学式がはじまる頃かな? 寝坊せずにちゃんと起きて行けたのかな?」
と少しだけ気にはなりつつも、なんだかんだといつものように過ごしていました。

そして夕方ごろ。
主人と夕食の買い出しに出かけようと車に乗り込んだときのこと。
家族のグループLINEに一通のメッセージが届いたのです。

それは入学式を終えた息子からのものでした。

『入学式に行って今帰ってきたところ。写真送っとくな。
あと、去年は受験に失敗して、いろいろ心配かけてごめん。
でもこうやって無事大学生になれたのも、2人のおかげやと思ってる。19年間ほんまにありがとう。
立派な社会人になれるよう、これから4年間しっかり勉強してくる。
だからおかん、あんまり心配せんよーに! たまには実家にも帰るようにするし。
こっちでの生活頑張るから、2人も体に気ぃつけて。じゃあまた』

息子からこのような形で改まったメールをもらったのははじめて。
不意打ちのLINEに驚きました。

決して長い文章ではありません。
でも年頃の息子にとって、想いを込めて文字にすること自体、勇気のいることだったでしょう。
そう思うと、うれしさが込み上げてきます。

主人は何も言いませんでしたが、とてもうれしそうな表情を浮かべていました。

驚くことにサプライズはまだ続きます。

買い出しを終えて家に帰ってきたタイミングで、ちょうど宅配便が届きました。
差出人は東京に旅立ったばかりの息子です。

不思議に思いながら受け取ると、中には私たちの大好きなワインが入っているではありませんか。

「19年間ありがとう。ゆっくり二人で飲んで」

引っ越し準備でバタバタしていたはずなのに、いつの間にこんなプレゼントを用意してくれていたのでしょう。

このとき私はやっと、子育てがひと段落ついたことを実感しました。
寂しさとうれしさ、無事に送り出せた安心感から思わず涙がこぼれてきます。
主人も同じように胸がいっぱいになったのではないでしょうか。

その晩は久しぶりに主人と二人、息子の入学祝いと称してゆっくりと晩酌を楽しみました。

優しい子に育ってくれてありがとう

長男はマイペースで優柔不断な性格です。
しっかり者の長女に比べると、小さい頃から何かと手を焼いてきました。

そんな息子ももうすぐ社会人。
いつの間にか、思いやりのある優しい大人に育ってくれていたようです。

桜が満開になる入学式シーズンが来るといつもこの当時のことを思い出し、胸がいっぱいになります。

この春、社会へ踏み出していく息子は、これからまたつらいことや楽しいことをたくさん経験していくでしょう。
そんな息子を母は今日も遠くから応援しています。

がんばれ、息子。

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