幼なじみとの別れ~友人へのプレゼントと両親からの卒業サプライズ

幼なじみとの別れ~友人へのプレゼントと両親からの卒業サプライズ 3.83 2

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このサプライズに使用されたアイテム

小さな町、2人の幼なじみ

私が生まれ育った場所は自然が豊かな田舎町です。
年々子どもの数は減り、高校卒業を機に県外に進学・就職をする人がほとんど。

保育園、小学校時代を一緒に過ごした仲間はそのままの顔ぶれで同じ中学校へ進学するため、10年以上の付き合い、という人も少なくありません。

そんな小さな田舎町で家族ぐるみの付き合いがある2人の幼なじみがいました。
サオリとダイキです。

サオリは元気いっぱいで、男の子にも負けないたくましさと好奇心がありました。
小学生のころ「ユカ、目をつむって! お菓子あげる!」と言われ喜んで受け取ると、虫を手に置かれるイタズラで大泣きをしたのを今でも覚えています。

ダイキは、家の近所に住む3人兄弟の末っ子。
少し気の弱いところがあって、サオリからいつもちょっかいを出されては泣きながら走って家に帰るということが度々ありました。

何度喧嘩をしても次の日にはいつもの仲良しに戻り、登下校はいつも一緒。
そんな私たちが高校を卒業し、それぞれの新しい道を歩むことに――。

私はこの田舎町で就職、サオリは美容師の夢を持ち東京の美容専門学校へ、ダイキは同じ県内の大学へ進学することになりました。

高校卒業で離ればなれ。笑顔で送り出したい!

涙で離ればなれになるのが嫌だった私は、笑顔で2人を送り出すためにサプライズを贈ることを決意しました。

しかし、今までサプライズを計画したことがないため良い案が思いつきません。
サオリとダイキのことをよく知っている、母に相談することにしました。

「3月末にサオリもダイキも町を出るから、その前に何かサプライズをしたいんだけど、何か良いアイデアないかな?」

「そうね……。
美味しいものを食べたり思い出になるものをプレゼントしたりするのがいいんじゃない?
3人が離ればなれになっても、お互いを感じられるなにかを渡したら喜ばれるかも……」

私は母の提案に「それいい!」と、この案をメモ。
父にも相談してみると、
「ダイキの両親の喫茶店でなにかできるか聞いてみるよ」
と言ってくれました。

喫茶店は、小さいころから集まってゲームをしたり放課後に両親の帰宅を待ったりした思い出の場所です。
二人にサプライズを贈るのにぴったりの場所だと思いました。

私は母の意見を参考に、お互いを感じられるプレゼントを考えました。
いろいろ考えたけど、身につけられるものが一番お互いを感じられると思い、2人のためにパワーストーンを使ったブレスレットを作ることにしました。

ひとつひとつのパワーストーンには、夢を叶えたり辛いときに力をくれたりする意味が込められているのだそう。

「サオリは明るい色が好きそうだよね」
「ダイキは強いメンタルになる石がいいかな」

私は1人で「ああでもない、こうでもない」と頭を悩ませながら、2人の性格や見た目にあったパワーストーンをひと粒ずつ選んでネットショップで購入しました。

サオリには、赤やピンクの可愛い色をした「情熱・愛情」の意味が込められた石を。
ダイキには、勉強運がアップする石を組み合わせて選び、2人のためのオリジナルブレスレットがついに完成!

さらに、 自分用に2人のために選んだ石を組み合わせたブレスレットを作りました。
このブレスレットを見ることで2人がそこにいると感じたかったからです。

「手作りっていいな! 2人ならきっと喜んでくれるはず!」
高価なプレゼントではないですが、卒業記念の思い出のアイテムとして良いものができたと思いました。

幼なじみへのサプライズプレゼント!

2人と離ればなれになる3日前。
ダイキの両親が営む喫茶店を貸し切って、私と両親、サオリ・ダイキと2人の両親を集めて卒業パーティーを開きました。
私の父がダイキの両親に相談し、夕方からお店を閉めて食事を振る舞ってくれることになったのです。

「俺のパーティーなのに朝から手伝わされてるからね」
「いいじゃん、こうやってお店のお手伝いができるのもこれが最後かもよ」
いつもの何気ない会話とコーヒーの香りが淋しさを誘います。

全員が揃うとテーブルにたくさんの料理が並び、幼なじみとの卒業パーティーがスタート。
ダイキの両親が作った料理はどれも美味しくて、母の手料理とはまた違う懐かしさや思い出がありました。

楽しい時間はすぐに経ち、テーブルの上の料理もほとんどなくなり夜も更けてきました。
そろそろかな、とタイミングを計りながらパワーストーンブレスレットをついに渡すことに。

「サオリ、ダイキ! 私からのサプライズプレゼント~! 受け取ってくださいっ!」

手作りのパワーストーンブレスレットを渡すと、2人は驚きながらも嬉しそうに受取って、
「本当にありがとう! さすが私の好きな色を知ってくれてるね」
「ありがとう。なんか力がもらえる気分だ! 大事にするよ」
と喜んでくれました。

3人でブレスレットを身につけると、サオリが、
「私たちは何があっても友達ね! 友情の証よ」
と言い、私はその言葉に感極まって涙がこぼれてしまいました。

この場をあたたかく見守ってくれていた両親たちからも拍手が――。

両親からも思いがけないサプライズ!?

すると突然、ダイキのお母さんから「これは私たちのからのプレゼントよ!」と3人に花束が渡されました。
3人の雰囲気に合わせた花で作られた花束からは、ふんわりとした香りが広がります。

「……俺気づかなかったんだけど……!」
ダイキは、自分の両親からのサプライズを知らなかったようでとても驚いています。

さらに、サオリのお母さんから「もうひとつサプライズがあるのよ」と言われ、私たち3人にアルバムが手渡されました。
アルバムの中を見ると、保育園の遠足や運動会の写真、小学校の入学式、夏休みなど、3人で過ごした日々が鮮明に思い出せる写真が綴じられていました。

「この写真はユカちゃんとダイキくんのおうちと、うちにある写真を持ち寄って作ったの。
最後のページには、お父さんお母さんからのメッセージも書かれているからね。
恥ずかしいから、あとでこっそり見てね」
そう言って、サオリのお母さんは少し照れたように笑いました。

花束とメッセージ入りの手作りアルバム。
まさか、 両親たちがサプライズを準備をしてくれているとは思ってもいませんでした。

最後のページをちらりと見ると、「頑張れ」「大人への第一歩!」と直筆で書かれていて、短い一言でしたが、両親から手紙をもらったことのない私は胸が熱くなりました。

「アルバムには、半分しか写真を入れていないの。
残りのページはこれから3人がそれぞれ過ごしていく思い出を綴じていってね。
これから思い出が増えていっても3人の思い出は消えないからね」

サオリのお母さんの言葉に、私の目からは再び涙が溢れてきました。
その姿を見てサオリが「お母さん……! 本当にありがとう!」ともらい泣き。

両親の愛情、3人の友情がこんなにも深くてあたたかいものだということを改めて実感した、忘れられない卒業パーティーになりました。

居場所は違っても心はずっと繋がっています。
あの日の卒業パーティーとサプライズのおかげで離ればなれになる淋しさが消え、笑顔で送り出すことができました。

これからも2人の夢を応援しながら、私自身も両親のような立派な大人になれるように頑張っていきたいと思います。

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