【両親へのサプライズプレゼント】娘の成人式をきっかけに感謝の気持ちを伝えよう

【両親へのサプライズプレゼント】娘の成人式をきっかけに感謝の気持ちを伝えよう 4.33 1

16

このサプライズに使用されたアイテム

今日は、成人式。

娘のまどかも去年の11月に二十歳の誕生日を迎え、晴れやかな振袖を着て、嬉々としています。

式の日の夕方。
孫の晴れ姿を見たいと、父と母がやってきました。

おじいちゃん、おばあちゃん子の娘も、自慢の振袖姿を見せたい、と着替えずに待っていました。

「まぁ!まどかちゃん、綺麗にしてもらったんねぇ。」
母は、家に着くなり玄関まで迎えにきた可愛い孫の姿を見て、嬉しそうに言いました。
その後ろで、父も目尻がすっかり下がっています。

「おじいちゃん、おばあちゃん!一緒に写真撮ろう!」

そう言って、父と母の手を引き、家の中へと招き入れます。

しばしの写真タイムの後、父は、絶え間なく続く女性陣の会話の中から逃れ、私の座るダイニングテーブルへと腰を下ろしました。

「まどかちゃんも、もう二十歳かぁ。早いなぁ。」
「そうだね。」

「…」
「…」

男通しなのでそれ以上の会話もなく、高い声で話し続ける母と妻、娘をただ眺めていました。

私は、ダイニングの隣にあるキッチンへと進み、棚からおつまみを、冷蔵庫から缶ビールを2本取り出して、テーブルの上に置きました。

「お祝いだから。」

そう言ってビールを父に手渡し、二人で口を開けて軽く缶を合わせました。

父とビールを飲みながら。

おつまみの柿の種を口に入れ、ビールを喉に通します。

女性陣を眺めながら、ぽつ、ぽつと話をします。

「仕事は順調なんか?」
「あぁ、ぼちぼちだよ。」

「まどかちゃん、就職とかどうするんかね。」
「本人の好きなようにしてもらったらいいと思ってるよ。」

「…」
「…」

そんな風ないつもの雰囲気の中、私はある思いを抱いていました。

娘が二十歳になり、いよいよ大人の仲間入り。

誕生日の日に娘から、
「今まで大切に育ててくれて、ありがとう。」
そう言われて、涙が出そうになるのをぐっとこらえながら、優しく素直に育ってくれた娘に感謝するとともに、嬉しさをかみしめました。

自分が成人した時のことを思いだすと、父と母に何か感謝を伝えるでもなく、いつも通りのそっけない態度をとっていたことを思いだします。

子どもが生まれ、その子を育て、見守る楽しさ、大変さ。
いろいろなことを感じた20年間でした。

あの頃の父と母を思うと、今の自分でもこれからの自分でも、一生かないそうにありません。
それほどに、家を守るということが大変で、偉大なことだとしみじみと感じています。

娘が二十歳になった今、あの時伝えられなかった気持ちを父に伝えたいと思いました。

が、気恥ずかしくて、なかなか言い出せず、酒の力を借りてもまだこの有様……。

見かねた妻が、近寄ってきて声をかけます。
「パパ。部屋からアレ、取ってきてちょうだい。」

缶ビールを口に運ぶ私に目配せしながら、にこにことそう言う妻。

「あ、あぁ…、分かった。」

そう言って、寝室へと向かいました。

あの時言えなかった感謝の気持ちを。

部屋に戻り、包みを手に取りました。

意を決してリビングに戻り、父の前にそれを差し出します。
「父さん、これ。」
「ん?」

誕生日でも記念日でもない父への突然のプレゼント。
困惑の表情で迎える父へ、なんとか言葉を紡ぎます。

「まどかが生まれて、大人になって。親って大変なんだな、って思った。
今まで言えなかったけど、ここまでこられたのは父さんと母さんのお陰だから。
これ、感謝の気持ち…。」

そう言って、プレゼントを受け取るよう、父へ促します。

突然の言葉と贈り物に、父は驚きながらも私の言葉をしっかりと受け止め、
「あぁ、うん…。
ありがとう。

……頑張れよ。」

そう言って、照れくさそうな顔でプレゼントを受け取りました。

サプライズプレゼントの中身は。

私のサプライズを知っていた妻と娘は、にやにや、いや、にこにことした表情で一連の流れを見届けました。

「おばあちゃん、お父さんからプレゼントだって!
開けてみて!」

そう言って、母を父の元へと連れてきて、プレゼントを開けてみるように言いました。

包みを開けると、そこにはカメラが入っていました。

最近、夫婦で旅行に行くことが多くなった両親へ、妻と娘に相談しながら決めたプレゼントです。
旅先で母が使うことも考え、コンパクトなミラーレスカメラにしました。
あとは、見た目が娘の好み、というのもあります。笑

「旅行に行ったら、たくさん写真を撮って見せに来てね。」
孫の言葉に、父も母もその気になったようで、
「うんうん。いっぱい撮ってくるからね。」
と言いながら、また会話に花を咲かせています。

二十歳の時は言えなかったけど、歳をとった今なら言えるはず。

なんて、思ったけど、やっぱり改めて伝えるということは気恥ずかしいものです。
私の背中を後押ししてくれた、妻と娘に感謝すると共に、父と母にはいつまでも元気で長生きして欲しい、と改めて感じたサプライズでした。


Customer Review

このストーリーの魅力を評価してください。

クリックして確定後「評価する」ボタンから送信してください。

タイトル