【東京に行った憧れの先輩から】落ち込んだ私に元気をくれたサプライズプレゼント

【東京に行った憧れの先輩から】落ち込んだ私に元気をくれたサプライズプレゼント

132

このサプライズに使用されたアイテム

8月。夏本番の季節になりました。

世の中は、フェスだ!花火大会だ!と、夏を満喫していますが、私にとっては受験一色の夏。
学校の補修授業や塾に通い、昼も夜も勉強の日々。
おめかしをして出かける2つ上の姉を横目に睨みながら、今日も補修へ行くため、朝ごはんの食パンを頬張っています。

学校へ行く道すがら、私の口からは大きなため息がもれました。
先日の模試の結果が良くなかったのです。

このままでは、志望する大学へ進むことができないかもしれない…

そう思うとさらに憂鬱な気持ちになり、私はまた、ため息をつきました。

私が東京の大学を目指している理由。

私には、憧れの人がいます。
放送部でずっと一緒に活動をしていた、1つ年上の樋口先輩です。

樋口先輩は、周りのことをいつも気にかけてくれる、とても優しい人です。

初めて校内放送を任された時、緊張して思うように声が出ず、言葉に詰まってしまいましたが、傍にいた先輩が「大丈夫!落ち着いて!」と紙に書きながら笑顔で励ましてくれました。

私の原稿を指さして、「もう一度、ここから読み直そう」とアドバイスをくれて、読み終わるまでサポートしてくれたんです。

先輩のおかげで、だんだんと気持ちが落ち着いてきて、その後は順調にアナウンスを終えることが出来ました。

そんな笑顔が素敵で優しい先輩。それ以来ずっと、私の憧れの存在です。

でも、樋口先輩は今年の春、東京の大学に進学してしまい、会えなくなってしまいました。
私はそんな先輩と同じ大学に行くため、毎日勉強を頑張っています。

だけど、なかなか思うような結果が出ない…。

気持ちばかり焦っていました。

学校の補習授業を終え、教室でお昼ご飯を食べていました。

今日は午前で授業が終わりなので、みんな足早に帰ってしまいましたが、私はこのまま残って勉強することにしました。

先輩、元気にしてるかなー。

母が作ってくれたお弁当の唐揚げを口に含みながら、また、ため息がこぼれました。

ガラッ!

突然、教室のドアが開きました。

もぐもぐと唐揚げを頬張りながら、そちらに目を向けると、思いもかけない人物が立っていました。

「せ、せんぱ……!!!」
私は、唐揚げを含んだまま開けてしまった口を、慌てて手で覆いました。

ドアを開けて私のもとにやってきたのは、東京にいるはずの樋口先輩だったのです。

「佐々木、久しぶり。」
私にそう声をかけながら、近づいてくる先輩。
「元気にしてた?」
と言いながら、にこにこと笑顔を向けてきます。

私は、口の中の唐揚げを急いで飲み込んで、先輩の声掛けに応えました。

「お、お久しぶりです。
先輩、どうしたんですか?」

「夏休みだから帰ってきたんだよ。」
そう言いながら、私の前の席に座りました。

それからしばらく、先輩の大学の話や東京の話、先輩が引退してからの部活の話など、他愛もない話をしました。
変わらない笑顔を見ていると、落ち込んだ気持ちも、会えなくて寂しかった気持ちも、 嘘のように吹き飛んでいく気がしました。

思いもかけないサプライズ。

幾時か過ぎて、先輩はそろそろ次の約束があるからと席を立ちました。

すると、荷物の中から何かごそごそと取り出しています。

「佐々木が一緒の大学目指してるって聞いたから。
汚くて申し訳ないんだけど、参考になるかな、って思って。」

そう言って渡してくれたのは、先輩が受験の時に使っていたノートや参考書たち。
確かに、端の方がよれていたり跡がついていたりしているけど、端々に先輩の字で大事なことがメモされていて、とても参考になりそうでした。
あと、先輩がこれを使って一生懸命勉強していた姿が、使い古されたノートや参考書たちから伝わってきて、それを貰えたことで、なんだか先輩に応援してもらえているような気がして嬉しくなりました。

「先輩、ありがとうございます!」

私が笑顔でそう伝えると、先輩は、さらに荷物の中から何かを取り出しました。

「あと、これもね。」

それは、本の形をしたギフトボックスでした。

「開けてみて。」
先輩に促されて箱を開けると、中には、明るい花柄の眼鏡ケースとペンケースが入っていました。

「わー!かわいい!」

私が手にとって喜んでいるのを見て、先輩はほっとした笑顔を向けています。

「佐々木が最近、元気ないって聞いたからさ。
女の子は、可愛いものを持つと元気でるんでしょ。
どれにしようか迷ったんだけど、気に入ってくれてよかったよ。」

少し、はにかんだような先輩の笑顔を見て、わざわざ選んでくれたんだと、さらに嬉しい気持ちが膨らみました。

その後、学校から出ていく先輩に手を振って、改めて、勉強を頑張ろうと決意しました。

傍には、先輩がくれたノートと可愛いプレゼント。
何より、わざわざ会いに来てくれた優しさと、変わらない笑顔に会えたことが、私に元気を与えてくれました。

まだまだ受験はこれから。
勉強、頑張ります!