小学校6年生担任として迎える運動会
私は小学校教師。5年目で初めて6年生を担任している。 この学校の6学年は3クラスあり、100名を超える生徒がいる。
6年生は一つひとつの行事が小学校生活最後となるため、取り組む姿勢も5年生までとは一味違う。低学年のお手本となることも必要だし、もうすぐ卒業する寂しさを感じながら日々を過ごしているように見える。
そんな中、運動会の準備が始まる時期になり、PTA役員さんから相談が。。。
運動会にて6年生の子どもたちへサプライズを企画したい
PTA役員さんからの相談とは、今度の運動会にて6年生の子どもたちへサプライズを企画したいとのこと。
本来PTA役員は運動会に参加してもらう保護者の方の競技企画、準備、進行を行うのだが、毎年同じ内容でマンネリ化しており、プラスαで6年生向けに何かサプライズを企画できないかと意見が出たらしい。
予算はPTA会費で賄うので問題ないのだが、肝心のアイデアが見つからず、6年生担任教師に相談してみようとなったようだ。
6年生に贈る小学校生活最後の運動会記念品
私は他のクラスを受け持っている担任の先生にも声をかけ、良いアイデアがないものか検討することに。インターネットで「運動会 サプライズ」「運動会 記念品」など様々なキーワードで検索を行っていると、
「表紙のデザインを選んで写真を送るだけで作成できるオリジナルノート」というサービスを見つけた。
運動会にちなんだデザインが用意されており、こちらが撮影した写真を送るとデザインに組み合わせて表紙に印刷してオリジナルノートを作ってくれるサービスだ。
さらに年度と小学校名を名入れすることができるので、よりオリジナル感を出せるようになっている。
他の担任の先生も予算内に収まるし、これは面白いねと言ってくださり、どんなノートに仕上げるかみんなで考えることになった。
アイデア次第でサプライズなオリジナルノートに!
まず写真。100名を超える生徒の集合写真では一人ひとりの顔があまりにも小さくなってしまうので、クラスごとに作成してはどうかということになった。オリジナルノート制作は10冊からの小ロット注文が可能なので、一クラス30冊~40冊でも注文ができるのでありがたい!
撮影は「入場行進」「徒競走」「応援合戦」「玉入れ」「綱引き」「全校リレー」など複数のプログラムでクラス担任にて6年生を中心に撮り、それらの写真をコラージュすることになった。最近は複数の写真を簡単にコラージュできる無料アプリが沢山あるので便利だ。
名入れは2020年度 6年生に贈る最後の運動会記念 福山小学校とした。
このアイデアでPTA役員さんに伝えると、満場一致で決定となった上に、6年生の保護者に呼びかけて、ノートの表紙に子どもの名前を記入してもらうことと、表紙の裏にメッセージを書いてもらうことになった。これによりさらにサプライズ感が出て、小学校生活最後の運動会の思い出をカタチにできる素晴らしいアイデアだと思った。
さっそく私たち担任教師にて、運動会当日に撮影。各クラスの生徒が写るように工夫して6枚の写真を組み合わせて注文。2週間後に届いたノートは期待以上の出来栄えで、PTA役員さんも感激!
後日、参観日に来られた保護者の方へ子どもには内密にということでメッセージの記入にご協力いただいた。
個人的に用意したプレゼント「新13歳のハローワーク」
運動会記念ノートを配る日、私は教師になって初めて卒業生となる生徒たちに、どうしても読んでもらいたい本をプレゼントすることにした。
それは「新13歳のハローワーク」著者:村上 龍 21世紀の少年少女に贈る、現代を生き抜くための新たなるバイブル。初版は2003年に刊行され、127万部突破となった大ベストセラー「13歳のハローワーク」を改訂し、パワーアップさせた新版。
内容は花、動物、スポーツ、工作、テレビ、映画、音楽などさまざまな「好き」を入り口に600種類以上の職業がわかりやすく紹介されている。新版では「国語が好き」「社会が好き」「料理が好き」「体育が好き」など好きな教科の扉を開けると、胸がときめく職業図鑑が広がる構成となっている。
まずは生徒一人ずつの名前を呼んで、運動会記念ノートを渡した。普段の授業で使っているノートとは明らかに違う表紙に、生徒たちは大喜び!コラージュされた表紙の写真を食い入るように見つめる瞳はとても輝いているように見えた。そして表紙の裏に書かれた家族からのメッセージを読みながら照れ笑いする姿に、サプライズの手応えを感じた。
そして、「新13歳のハローワーク」を紹介。あと半年もすれば中学生となる生徒たちに、少しでもいいから将来の「職業」について興味を持ってもらいたいという私の思いを伝えた。
そしてみんなの「好きなこと」を大切にしてほしいと。
今回の運動会記念ノートがご家族との小学校時代の思い出の一つとなり、新13歳のハローワークをきっかけに、家庭内で将来の「職業」について話題が増えることを願っています。