一緒にダンススクールの講師をしている幼馴染の友人
幼馴染の裕美とは子どものころから何をするのも一緒で、特にダンスでは良きライバルとして、また姉妹のように過ごしてきた。
今年で25歳。今も一緒にダンススクールで子どもたちのダンス講師をやっている。
裕美は昔から努力家で、何をするにしても常に一つ上のレベルを目指すタイプ。私が今までダンスを続けてこれたのも裕美という存在が傍にいて、彼女が上達する姿を見ることで自分のモチベーションが維持できたと思う。

そんな裕美がダンスの勉強をするため本場アメリカへ渡り、ダンス留学すると言い出した。
いかにも裕美らしい……
私は驚きと納得感が交錯しながら裕美の話を聞いていたが、やがて寂しさが込み上げてきた。
海外へ旅立つ友人への送別サプライズアイデア
裕美がアメリカへ旅立つのは3カ月後。
私は寂しさを押し殺して、この3ヵ月を裕美とどう過ごすか。裕美をどんなふうに送り出すか考えることにした。
なにせ20年近く一緒に過ごした幼馴染であり一番大切な友人。ダンス講師の仲間たちにも相談し送別サプライズを企画することに。
送別といえば花束、寄せ書き、記念品プレゼントなどがすぐに思いつくけど、もっとサプライズ感を出したい!
裕美のことを最もよく知る私ならではの送り出し方があるはず!
まずは私がアイデアを考え、ダンススクールの講師、生徒達に協力してもらうこととした。
私が考えた送別サプライズとは動画を使った演出。最近は無料で簡単に高いクオリティーの動画が編集できるアプリがあるので便利。
動画の構成はというと。
①裕美との幼少期の思い出写真をスライド形式で組み込み
②悩み多き思秋期時代の思い出を写真と私のナレーションで伝える
と裕美と私の個人的思い出、エピソードを動画前半に入れされてもらって、
③みんなで一所懸命練習して披露したダンスパフォーマンスの思い出を当時撮影した動画を編集して組み合わせ
④最後はスクールの生徒たちからのメッセージ、そして講師仲間からの贈る言葉
という流れ。

常にチャレンジする勇気を届けるプレゼント
裕美のダンススクール最終日。
普段通り子どもたちにレッスンを行っている中、部屋の照明が消され、壁にプロジェクターの画面が映し出されます。
そして私と裕美の幼少期の写真が流れ出すと、裕美は驚いた表情をして周囲を見回しています。
私が裕美に近づき、
「みんなで動画作ったんだよ」
と伝えると、裕美は両手で口を覆いながら必死で涙を我慢している様子。

でも動画のクライマックスで生徒たちのメッセージが流れると、涙を抑えきれず号泣。
動画が終了すると、スクールのオーナーがみんなを代表して花束をプレゼント。
続いて私から今日の動画を保存したDVDと勇気を持って行動する人をサポートすると言われている赤色のパワーストーンブレスレットをプレゼント。
裕美は涙でくしゃくしゃになった顔で
「みんな、本当にありがとう! たくさんの勇気をもらいました。アメリカで頑張ります!」
と絞り出した声でなんとかお礼を伝えると、また号泣。
そんな裕美をよそ目に最後のサプライズプレゼント!
子どもたちが小学校でも歌っている卒業式の定番ソング「旅立ちの日に」をみんなで合唱。
この歌の歌詞にあるように勇気を翼にこめて、希望の風に乗り、この広い大空に夢をたくして飛び立ってほしいという皆からの応援ソングです。