IDEA
妻へクリスマスサプライズ!プレゼントin“オープンウェンレターズ”
プレゼントの親子バッグに仕掛けたサプライズ
『メリークリスマス! かんぱーい!』
「けい君、今日は色々準備してくれてありがとう。どれもとってもおいしそう! 莉子も手足バタバタさせて何だかとっても嬉しそうだよ」

今日はクリスマスです。
そして莉子が産まれてから初めて家族3人で迎えるクリスマスでもあります。
『亜衣ちゃん、実はもう一つ僕からプレゼントがあるんだ。これ、開けてみて』
「わぁ、これだけでも十分なのにプレゼントまで? 何選んでくれたのかなぁ?」
嬉しそうな表情を見せながら亜衣ちゃんがプレゼントの包みを開けます。
「あ、これはもしかして私と莉子がお揃いで持てるバッグ? えー、すっごく嬉しい!」
亜衣ちゃんはバッグの中を確認しながら、「マザーズバッグとしても使えるね!」と喜んでいます。
そして莉子用のバッグを手に取って中を開けたとき。
「え、中にいっぱい手紙が入っている……。“莉子が初めてハイハイできたとき”、“莉子が1歳になったとき”、“莉子が歩けるようになったとき”。けい君、この手紙って?」
育児疲れの妻に代わってクリスマスの準備を担当
莉子が産まれたのは、11月1日でした。
正直に言うと亜衣ちゃんが臨月に差し掛かっても自分が父親になるイメージを持てずにいたのですが、今では見事に莉子にメロメロ。
「鼻の下がまた伸びてるよ!」なんてしょっちゅう言われてしまう始末です(笑)。
その一方で亜衣ちゃんは慣れない育児に追われ、心身ともに少しお疲れモードのようでした。
それもそのはず。
莉子はまだ夜中に泣くことも多く亜衣ちゃんは十分な睡眠時間が取れていないうえ、母乳で自分の栄養分をあげているんですもんね。
母親って本当にすごいなと感心します。

つい先日も、
『もうすぐクリスマスだなんて早いね』
と僕が話しかけたのですが、
「え、ごめん。何か言った?」
亜衣ちゃんは莉子に授乳をしながらウトウトしてしまっていたようでした。
きっと相当疲れているのでしょう。
そんな亜衣ちゃんの姿を見て思いつきました。
『亜衣ちゃん、今年のクリスマスは僕に任せて!』
「え、いいの? 嬉しいけど、けい君もお仕事大変なんじゃない?」
『普段なかなか亜衣ちゃんのサポートできてないから、クリスマスぐらいは任せてよ』
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな」
こうして、僕は来月のクリスマスに向けて動き出したのでした。
プレゼント決定とともに思いついたサプライズアイデア
僕はもともと一人暮らし歴も長く料理もそれなりにできる方だったので、ディナーメニューについてはある程度こんなのにしようというイメージがついていました。
けれど頭を悩ませたのは、亜衣ちゃんへ贈るクリスマスプレゼントです。
『亜衣ちゃんのいま欲しいものって何だろう……』
亜衣ちゃんにぴったりなプレゼントがなかなか思いつきません。
それに、今年は莉子もいます。
まだ0歳で物心ついていないとは言え、初めて迎えるクリスマスなので何かプレゼントしてあげたい。
スマホでプレゼントを探してみますが、どれもピンときません。
諦めかけそうになったとき、ふと僕の目に留まったのがデニム地でできた親子お揃いで持てるバッグのセットでした。


トートバッグの方はたくさんポケットがついていて、いつも莉子のグッズで鞄の中身が溢れかえっている亜衣ちゃんにはぴったりだと思いました。
また、子ども用のショルダーバッグはシンプルなので、長く使えそうです。
そしてこれを見たとき、僕の中でもう一つアイディアが思い浮かびました。
それは、“Open When Letters(オープンウェンレターズ)”というサプライズ方法。
僕は海外に留学していたことがあるのですが、そのときに現地の友人が彼女の誕生日にしていたのがオープンウェンレターズです。
「○○なとき」とシーンを想定して書く手紙だそうで、「そのときが来たら開けて欲しい」と伝え、いくつもの手紙をまとめて渡すのだとか。
当時このサプライズを知ったとき、「そんなのよくやるなぁ」と思っていたのですが、莉子を家族に迎えたいまこのサプライズはぴったりな気がしました。
莉子が歩きだしたらこんなことを一緒にしたい、話せるようになったらあんなことを聞いてみたいとか、将来家族3人でやってみたいことがたくさんあります。
それをオープンウェンレターズにして、このバッグの中に詰めて亜衣ちゃんを驚かせたいと思ったのです。
いくつかのシーンを想定して書いたオープンウェンレターズ
後日、亜衣ちゃんが莉子と買い物に出ている隙を見て、仕事帰りに買ってきた便箋を広げて早速書き始めます。
“莉子が初めてハイハイできたとき”、“莉子が1歳になったとき”、“莉子が歩けるようになったとき”、“亜衣ちゃんが育児に行き詰ったとき”など、いくつかのシーンを想定して用意しました。
中身については、「莉子がついに1歳になったね。亜衣ちゃんもママとして頑張ってくれてありがとう。この1年もたくさん家族で思い出を作ろうね」といった感じです。
手紙は8通ほど用意したので、亜衣ちゃんのいない隙を見つけて数日かけながら書きためました。

そして書き上げた手紙たちは、莉子用のショルダーバッグの中へ。
亜衣ちゃんが驚く様子を想像しながら、バッグの内スナップを閉じます。
サプライズが自分たちの将来を考えるきっかけに
迎えたクリスマス当日。
久しぶりに作る料理に少し苦戦はしたものの、スーパーで買った惣菜もうまく使いつつクリスマス仕様のディナーが何とか完成しました。
ちょうど莉子も授乳後でニコニコとご機嫌そうです。
『メリークリスマス! かんぱーい!』
僕たちは乾杯をして、ゆっくりディナーを楽しみます。

「どれもとってもおいしくって幸せ~! けい君、ありがとうね。家族3人で過ごすおうちクリスマスっていいね」
嬉しそうに料理を食べている姿を見ると、僕まで嬉しい気持ちになってきます。
けれど、ほんとの本番はこれから。
『亜衣ちゃん、実はもう一つ僕からプレゼントがあるんだ。これ、開けてみて』
「わぁ、ごはんだけでも十分なのにプレゼントまで?」
僕に促され、亜衣ちゃんはプレゼントの包みを開きました。
「あ、これはもしかして私と莉子がお揃いで持てるバッグ? えー、すっごく嬉しい! 私ずっと親子でお揃いコーデとかするのが夢だったの。さすがけい君、ありがとう! 莉子と持てる日が楽しみすぎる~」
と大喜び。
そして、「莉子のバッグもかわいい~!」とショルダーバッグに手をかけました。
「え、中にいっぱい手紙が入っている……。“莉子が初めてハイハイできたとき”、“莉子が1歳になったとき”、“莉子が歩けるようになったとき”。けい君、この手紙って?」
と手紙の存在に気付きました。
『それは海外で流行っているオープンウェンレターズって言うんだ。手紙に書いてあるときが来たら、その手紙をそれぞれ開けて読んでみて』
「へー、そんなのあるんだ。けい君からのサプライズだなんて嬉しすぎるけど、莉子がハイハイできるようになったときとか、1歳になったときとかまだ先だから気になっちゃうよ~。……ん、あれ? けい君これは?」
莉子が手に持っているのは、“この手紙を最初に受け取ったとき”と書かれたものでした。
実は、いまのぼくの気持ちを綴った手紙も入れておいたのです。
『これはいま読んでほしい分だよ』
「いま? じゃあちょっと読ませてもらってもいいいかな」
中に書いたのは、莉子を産んでくれたことに対する感謝の気持ちや、なりたいパパ像、莉子が将来どんな子に育って欲しいかなど僕のいまの気持ちを素直に綴ってみました。
「わ、けい君がこんなに色々考えてくれてたんて……。ありがとう、宝物だよ」
亜衣ちゃんの目にはうっすら涙が浮かんでいます。
普段手紙を書く機会なんてないので、改めて文字にするには正直少し抵抗がありました。
けれど“○○なとき”という手紙を書くことによって、将来をじっくりと想像したり考えたりするいいきっかけにもなった気がします。
手紙に書いた“○○なとき”はどんな風になっているのかな? と亜衣ちゃんと話しながらのクリスマスディナーはとてもいい時間となりました。
そして、今から亜衣ちゃんと莉子がお揃いのバッグを持って歩く姿を想像してニヤニヤしてしまう僕です。