STORY
【彼と過ごすクリスマス】まさかの電子レンジに仕掛けるびっくりサプライズ
用意しておいた“セリフ” で彼を電子レンジへ誘導
「ふぅー、食った食った! 真由の料理、どれもおいしくて食べすぎちゃったよ~。作ってくれてありがとうな」
今日は、カズ君と付き合い出してから初めて迎えるクリスマスです。
朝から買い出しに仕込みに部屋の片付けにと正直かなりドタバタでしたが、カズ君の笑顔とおいしいの一言で疲れもひとっ飛び。
作りすぎたかも? と心配だった料理も、カズ君はペロリと平らげてくれました。
「料理作ってくれたから、皿洗いは俺がするね」
そんな気遣いをしてくれる優しいところに、いまだ私はキュンとしてしまいます。

そしてしばらくしてから、カズ君が「よし、片付け完了!」と台所を出ようとしたとき。
私は、はっとした表情を見せて大きな声を出しました。
『あー! やっちゃった! 私もう一品料理作ってたのに、電子レンジに入れたまま出すの忘れてた……。はー、最悪だ~!』
「わわ出た~、真由のおっちょこちょいな性格が(笑)どれどれ何を忘れていたのかな」
ちょうど台所にいたカズ君はケラケラ笑いながら、電子レンジの扉を開けようとしています。
実はこの私の言葉は事前に用意しておいた“セリフ”です。
電子レンジの中に、私はあるサプライズを仕込んでおきました。
彼とのクリスマスおうちデートを盛り上げるサプライズプレゼント
カズ君と付き合い出したのは、ちょうど去年の年末頃で、二人で過ごすクリスマスはこれが初めてです。
クリスマスって、やっぱりカップルにとって特別感のある日だし、12月ってだけで何だか気持ちもワクワク高揚しちゃいます。
本当はクリスマスっぽく夢の国に行ったり、イルミネーションを見に行ったりしたかったのですが……。
あいにくクリスマス当日、カズ君はお仕事なのだそう。
なので、25日は我が家でおうちデートをするプランになりました。
『よーし! せっかくのおうちデートだし、当日はクリスマスディナーを頑張って作ってカズ君を喜ばせるぞ~。メインはやっぱりお肉で、スープは何系にしようかなぁ』
と、会社帰りの電車の中や寝る前などネットでリサーチしては、頭の中で色々シミュレーションをしていつもニヤニヤ。
張り切って部屋の飾り付けアイテムをネットで購入し、カズ君へのクリスマスプレゼントであるキーケースも用意しました。

あと、付き合ってもうすぐ一年記念もあるので、これまでの二人の写真を使ってサプライズボックス作りにも挑戦。
サプライズボックスは一見普通の箱なのですが、開けるとボックスが四方に広がって展開し、メッセージや写真が飛び出すというもの。
インスタでも流行っているようで、いつかカズ君にプレゼントしたいなと思っていたものでした。
これで準備は完了!
あとは料理を頑張るのみです。
ワクワク、ドキドキしながら当日を迎えました。
電子レンジの中に仕掛けるサプライズアイデア
待ちに待ったクリスマス当日。
カズ君は仕事が終わってから18時頃、家に来てくれる予定となっています。
まずは午前中部屋の掃除と買い出しを済ませ、午後からは急いで料理の仕込みへ。
ローストビーフにクラムチャウダーなど私にとってはどれも慣れないメニューで挑戦でしたが、何とか予定していた時間までに下ごしらえを済ませられました。
そして注文していた飾り付けアイテムで、部屋をクリスマスっぽくデコレーション。
あとはカズ君に渡すクリスマスプレゼントとサプライズボックスをどうするかです。
ワンルームの部屋は収納も少なく、いい隠し場所が見つかりません。
そこで、部屋を見渡したときふと目に入ったのが電子レンジでした。
『そうだ、これを電子レンジに隠しちゃおう。カズ君をさりげなく誘導させて電子レンジを開けさせたら、きっとびっくりするはず!』
突然思いついた割には、我ながらいいアイデアです(笑)
けれどまだ料理を完成させるために、電子レンジは必要です。
そのため、『電車に乗る前に連絡ちょうだいね』とカズ君にメールを送信。
すると、「おつかれ。いま電車待っているところだから、あと30分ちょっとで真由の家に行けると思うよ」とメールが届きました。
『分かった。気を付けてきてね!』と返信をしたのち、そこからは料理の仕上げに猛ダッシュで取り掛かります。
仕上がったものをテーブルに並べていき、電子レンジが使い終わってから中にプレゼントとサプライズボックスをセッティング。
部屋の飾り付けで余った細めのキラキラとしたモールも余白に置き、一番手前にMerryXmasと書いたメッセージカードも置いてみると、何だか電子レンジの中がとてもかわいらしい空間となりました。
また電子レンジの扉にあるガラス部分は黒くスモークがかっている感じだったので、よくよく見なければバレることはなさそうです。
ちょうど電子レンジを閉めたタイミングで、
ピンポーン
カズ君がどうやら到着したようでした。

なぜか私も驚かされたサプライズ作戦の結末
「遅くなってごめん。でも今日は残業なくてよかったよ~」
仕事を終えたスーツ姿のカズ君にちょっとドキドキ。
『よかったー! さっき連絡くれたから料理あたためて、ちょうど今テーブルにセッティングし終えたところだよ。あったかいうちに食べちゃおう!』
「うわっ、これ全部真由が作ったの? 感激! どれもめっちゃおいしそう~。お腹もペコペコだったから嬉しすぎる。では、いただきまーす!」
「うまっ!」と言いながら、バクバクと早いスピードで食べ続けるカズ君。
慣れない料理で心配していましたが、どうやら味も大丈夫な様子です。
途中でカズ君が持ってきてくれたワインも飲みながら、クリスマスディナーをたっぷり堪能しました。
食べ終えると、「真由が料理作ってくれた分、俺が皿洗いするからゆっくりしてて」 とカズ君。
実はこれも想定済みです。
これまでにも何度か我が家でご飯を作ってあげたことがあったのですが、カズ君はいつもさりげなく皿洗いを担当してくれます。
なので、今回もそんな気がしていました。
そしてカズ君の「よし、片付け完了!」の言葉に続き、あらかじめ用意しておいたセリフを伝えます。
『あー! やっちゃった! 私もう一品料理作ってたのに、電子レンジに入れたまま出すの忘れてた……。はー、最悪だ~!』
すると台所にいたカズ君は「おっちょこちょいだな~」と笑いながら電子レンジを開けました。
「わ、何だこれ? びっくりしたー! これって……もしかして俺に?」
『じゃなきゃ誰に用意するの(笑) カズ君へのクリスマスプレゼントだよ。開けてみて』
カズ君は電子レンジからプレゼントを取り出し、リビングへ持って来ました。
ガサガサ……。
まずはサプライズボックス。
「わわ、写真がいっぱいだ。これも真由が作ってくれたの? 俺ら一年でたくさん出かけてるね。写真見たら色々思い出す。作るの大変だったろうにありがとう」
写真一枚一枚を一緒に見ながら思い出話に花が咲きます。
そしてもう一つのプレゼントへ。
「あー、キーケースじゃん! ボロボロだったからめっちゃ嬉しい。さすが真由」
ととっても嬉しそうです。
キーケースにしてよかった!
「てか、俺も真由にプレゼントあるんだけど、これ開けてみて?」
カズ君からきれいな包装紙で包まれたプレゼントを手渡されました。

開けてみると、何とそこには私が好きなブランドのキーケースが。
『えー、カズ君もキーケース選んでくれたの!? びっくり! 気が合うね、私たち(笑)』
「電子レンジ開けたときとあのボックスにもびっくりしたけど、キーケースにさらに驚いたよ」
と二人で大爆笑です。
まさかのプレゼント被りに何だか私まで驚かされてしまいましたが、電子レンジを使ったサプライズにカズ君は驚いてくれた様子。
作戦は大成功です。
誰もあんな場所にあるとは思わないですもんね(笑)
今年はおうちで過ごすささやかなクリスマスでしたが、おかげでとても思い出深い一日となりました。
プレゼント被りして大笑いし合ったキーケースも、思い出と共に大切に使っていきたいと思います。