STORY
敬老の日に子どもとつくる手作りパン屋さんのサプライズアイデア
敬老の日サプライズに“おうちでパン屋さん”
焼きたてのパンの香りが漂う中、時間ぴったりに両親がやってきました。

敬老の日当日、私の両親、つまり子どもたちからするとおじいちゃん、おばあちゃんを我が家に招待。
玄関を開けると、可愛い孫に会えるのが嬉しくてたまらないという表情で、出迎えるなり抱きつく子どもたちの頭をなでました。
「すごく良い匂いね」
母がニコニコ笑顔で言います。
「おじいちゃんとおばあちゃんのためにいっぱい準備したよ!」
そう言いながら、子どもたちは両親の手をひっぱりリビングへ。
「おじいちゃん、おばあちゃん、見て~~~!」
「今日は咲ちゃんと啓ちゃんで、“おうちでパン屋さん”するよ!」
そこには、『くらもとベーカリー』と書かれたガーランドを飾った小さなテーブル。
その上には、バスケットに入れられた焼きたてのパンたち。
「わ! 美味そうだな!」
「良い匂いの正体はこれだったのね」
並べられたパンとドヤ顔の子どもたちに、終始嬉しそうな両親。
これは、我が家・倉本(くらもと)一家の敬老の日サプライズのお話です。
朝食はパン派・母のパン好きからみつけたプレゼント
今年の敬老の日は何を贈ろうか?
9月に入って1週間が過ぎようとした頃、毎年のことながら敬老の日のプレゼント探しに頭を悩ませていました。
というのも、子どもたちが小さいころから、ネット上に出回っているようなプレゼントはだいたいやりつくしていたからです。
- 手形アート
- フォトフレーム
- 似顔絵
- 手作りマグカップ
- 定番のメッセージカード ……
今年で娘・咲(さき)は小学校一年生。息子・啓太郎(けいたろう)は年中さんになります。
子どもたちも一緒に楽しめるようなものをといろいろ考えてやってきましたが、それが毎年なかなか大変で……。
なので、今年はもう、両親の好きなものを贈るだけで済ませようかな……、なんて半ばあきらめ気味でした。
両親が好きなもの――。
考えて見ると、父も母も特にこれといった趣味もなく、時間ができれば家でくつろぎながらテレビ鑑賞をしているような、ザ・インドアな人たち。
そういえば、母はパンが好きでよくパン屋さんに連れて行ってくれたなぁ……。
母の好みで、実家の朝食はパン派だったし、私もそれでパンが好きになって学生の時はパン屋にアルバイトに行ってたよな。
(あのパンの焼ける香りがたまらなく食欲でるよね~~……)
なんて、プレゼントから完全に脱線した私。
「#パン好き」や「#パン雑貨」などのタグでインスタサーフィンを始めていたら、ふと目に留まったPOST。
それは、「本物のパンからできた美味しい明かり」と書かれたインテリアライトでした。

簡単レシピで子どもと一緒に手作りパンのアイデア
インスタでみつけたPOSTから通販サイトに行ってみると、クロワッサンや食パン、フランスパンの形をしたインテリアライトを販売していました。



「かわいい……!」
パン好きな私は一目惚れ。母も絶対「可愛い!」と気に入ってくれるはず!
そういえば、今年は自宅で過ごすことが増えた影響で、おうちで手作りパンを作る人も増えたって聞いたな。
早速、手作りパンのレシピを調べてみると、初心者の私でも簡単に作れそうなレシピがたくさん出てきました。
中でも、私が一目でいいな、と思ったのは、「30分でこねずにできる魔法のパン」です。
「これなら面倒な発酵の手間もないし、短時間で子どもたちとも楽しく作れそう!」
見つけたインテリアライトと子どもたちの手作りパンを組み合わせて、今年の敬老の日は“おうちでパン屋さん”をすることに決めました。
手作りパンと一緒にパンのライトをサプライズプレゼント
敬老の日、午後12時10分。
“おうちでパン屋さん”・「くらもとベーカリー」の開店です!
「いらっしゃいませ~~」
「ふふふ、可愛いパン屋の店主さん。この白いパンとチョコチップのパンを1つずつくださいな」
「はーーい!」
慣れない手つきで手作りした小さくてまぁるいパンを、準備していたトングでお皿に取り分ける子どもたち。
白いパンは、咲が、チョコチップのパンは啓太郎(と私)が取り分けました。
「咲ちゃんと啓ちゃんとママで作ったんだよ!」
「うん! このチョコチップ、僕が入れた!」
「咲ちゃんと啓ちゃんの手作りか! どうりでいつもより美味しそうだと思ったよ!」
可愛い孫の手作りだと知って、手元のパンをまじまじとみつめる父。
「本当に、とっても美味しそうに焼けたわね」
母も手作りパンの出来栄えに驚いています。
パンを混ぜて伸ばす作業は咲にしてもらいました。
生地をまるめるのは二人にしてもらったのですが、啓太郎のまるめたものは私がほぼ手直し。笑
でも、レシピで見た通り短時間でとっても簡単に出来たし、我ながら上出来だと思います。
「この大きいパンも手作り?」
二人の前に並んだパンの横にはもう一つ、バスケットに入った大きなパン・ブールが置いてありました。

「ふふ、これは私からのプレゼント。啓ちゃん、ここのスイッチ、ポンって押して」
「うん!」
啓太郎がスイッチを押すと、大きくてまぁるいブールに優しい明かりが灯されました。

「え……!? パンが光ってる!?」
「……どうなってるの!?」
父と母は、優しい明かりを灯すブールを上から横からと驚いた様子で見ています。
「これね、本物のパンから出来たインテリアライトなんだって! すっごく可愛いでしょ!」
「そうなの!? すごい……!」
母はブールを持ち上げてまじまじと見ながら「とっても可愛い! すごく気に入った!」と言って喜んでくれました。
「ねぇママ。おじいちゃんとおばあちゃんにパンをあげたから、咲ちゃんと啓ちゃんも食べていいでしょ?」
ブールの話で盛り上がっている大人たちに割り込んで、待ちきれないという咲の一言。
「そうね、みんなで一緒に美味しいパンを食べましょう」
母がそう言うと、
「やった~~~~!!」
と早速自分のお皿にパンを取り分ける子どもたち。
プレゼントしたブールのライトを置いたダイニングテーブルで、みんなで一緒に焼きたて手作りパンを食べました。