STORY
【敬老の日のサプライズ】話題の『ソープフラワー』を仕掛け付き段ボールでお届け!
大好きなおばあちゃんとの幼い頃の思い出
私は、都内の保険会社で働く兼業主婦。
先月、第一子となる長男・雄太を出産したばかりで、今は育児休暇をもらっています。
大学進学でこちらに上京してきたので、実家の岡山を離れてからかれこれ10年近く。
飛行機を使えばそれほど遠くない距離ですが、仕事柄まとまった休日を取りにくいため、お盆や年末にしか帰省できていません。
帰省すると必ず会いに行くのがおばあちゃん!
私の母は、私が幼い頃から看護師としてバリバリ働いていたので、よく私の面倒を見てくれていたのが母方のおばあちゃんでした。
おばあちゃんはおじいちゃんと二人で農業を営んでいて、畑で収穫した新鮮なお野菜や果物をよく食べさせてくれたものです。
また、おばあちゃんの家から海が近かったこともあり、夏にはよく海に出かけました。
いつも私のことをかわいがってくれた優しいおばあちゃんが、私はとっても大好きです。

そんなおばあちゃんは現在83歳。
おじいちゃんは数年前に亡くなってしまい、今はおばあちゃん一人で暮らしています。
今年のお正月に夫と帰省したとき、おばあちゃんは昔と変わらないいつもの笑顔で私を出迎えてくれました。
そのときに妊娠の報告もし、「麻里ちゃん、本当によかったなぁ。曾孫が見られるときが来るなんて」ととても喜んでくれていたことを覚えています。
でも、足腰がすっかり弱くなっていて立ち上がったり歩いたりするのが大変のようで、今は週に2度ほどヘルパーさんに手伝いに来てもらっているそうです。
おばあちゃんは、『歳にはかなわんね~!』といつものように明るく振舞いながら話してはいたものの、私にはその姿がどこか少し無理をしているようにも見えました。
生花でもプリザーブドフラワーでもないソープフラワーって?
敬老の日を約1ヶ月後に控えたある日のこと。
『今年は帰省できないし、敬老の日のプレゼントをどうしようかなぁ』
と悩んでいました。
というのも、いつもはお盆の帰省時に敬老の日のプレゼントを渡していたのですが、今年の夏はまだ出産したばかりで息子も小さいため帰省できそうになかったのです。
そのため、今年のプレゼントは郵送で届けることにしました。
思えばこれまで、洋服や食器、ブランケットなど、おばあちゃんにはいろいろプレゼントをしてきました。
物持ちがいいおばあちゃんは、10年以上前にあげたものを今でも大切そうに使ってくれています。
とてもうれしい反面、何をプレゼントしたら喜んでくれるのか毎年かなり悩みます。
『うーん、今年は何をプレゼントしよう。おばあちゃんの好きなものって何だろう』
そんなことを考えているとき、去年のお盆におばあちゃんの家の近くにあるひまわり畑を一緒に見に行ったことを思い出しました。
お花が大好きなおばあちゃんはとっても嬉しそうでした。
『そうだ、今年は王道だけどお花を贈ろう! 足が悪くなって以来ずっと家にこもっているって言っていたから、パッと明るい気持ちになるようなきれいなお花がいいなぁ』
そう考えた私は早速、近所の花屋を覗いてみることにしました。
すると、ふと目についたのが “プリザーブドフラワー&ソープフラワーの注文も承っています”と書かれた店頭の案内チラシ。
『ん? プリザーブドフラワーは分かるけど、ソープフラワーって何?』
気になったのでネットでソープフラワーについて調べてみました。

ソープフラワーは本物のお花にそっくりな見た目なのですが、名前に“ソープ”とあるように石鹸でできた造花なのだそう。
ほんのり石鹸のようなアロマの香りも楽しめる上に、手入れも不要で半年ほど日持ちもするそうです。
なんでも最近、SNSでも話題沸騰中なんだとか!
『これなら、足腰の弱っているおばあちゃんでも水替えしなくていいから喜んでもらえるかも!』
早速ネットで郵送サービスのあるソープフラワーをリサーチ。
ソープフラワーには置き型タイプや花束タイプなどさまざまなタイプがあり、お花の種類もたくさん選べました。
また、プリザーブドフラワーより比較的リーズナブルなお値段設定となっている印象です。
どのお花も華やかで悩んでしまいましたが、私は思い出のひまわりのソープフラワーを選択しました。
段ボールにちょっとした仕掛けを施してさらにサプライズ
はじめは、おばあちゃんの家に直接届くように郵送の手配をしようと思ったのですが、届け先を一旦私の自宅の住所に設定しました。
なぜって?
それは、おばあちゃんにさらに喜んでほしいから!
段ボールを開けたときに、あっと驚くような仕掛けを施そうと考えたのです。
敬老の日の一週間前、ソープフラワーが到着。中を開けると、ふんわりと石鹸のいい匂いが香ります。
そして、あらかじめホームセンターで買っておいた無地の段ボールに詰め替えました。
続いて段ボールの内側フタ部分に、おばあちゃんと私のツーショット写真や先月産まれたばかりの息子の写真、私たち家族の写真などをのりでペタペタ。
さらに、息子の写真から吹き出しを付けて、「おばあちゃん、いつまでも元気でいてね」というメッセージを書きこみ、ほかの余白部分にはひまわりのシールも貼り付けました。

あとは、ソープフラワーが潰れてしまわないよう、ハート型のコーンクッションを詰め込んで封をすれば完成!
初曾孫でもある息子の誕生を誰よりも楽しみにしていたおばあちゃん。
今年一緒に帰省して顔を見せてあげたかったのですが叶わなかったため、せめて写真だけでもと思ったのです。
敬老の日にかかってきたおばあちゃんからの電話
敬老の日の夕方、おばあちゃんから着信が入りました。
「麻里ちゃんかね? 元気しとる? 今日敬老の日のプレゼント届いたよ。いつもどうもありがとう。
あれ、ヘルパーさんに見せたら石鹸でできとるって言われてえらいびっくりしたよ(笑)でも石鹸のいい香りがした。
最近ベッドで過ごすことも多いから、ベッド横のテーブルに置いて今も眺めとるよ。
あと、雄太君! 写真で見たけどかわいらしかったぁ。はよう、会いたいわぁ」

『ちゃんと届いてよかった。おばあちゃんも変わりなく? あれソープフラワーって言うんだって。去年のお盆に一緒にひまわり見に行ったの覚えてる? また一緒に行きたいなと思ってそのお花を選んだの。今年はお盆に帰れなかったけど、来年また雄太も連れてみんなで見に行こうね!』
「そういえばそうやったなぁ。あれは本当にきれいやった! うん、また来年雄太君も一緒に見に行こう。それまではちゃんと元気で私もおらないとやね(笑)。麻里ちゃんらもそっちで身体気を付けなさいね」
時間帯が遅いこともあり、他愛もない会話で電話を切りましたが、受話器越しに聞こえる声はいつもの明るくて優しいおばあちゃんの声でした。
そして、ヘルパーさんが撮ってくれたのか、届けたソープフラワーを持ちながらにっこり笑顔で写ったおばあちゃんの写真付きのメールが通話後に届きました。
文章は何もありません。
うまく使いこなせていない携帯電話で、頑張ってメールを送ってくれたことが想像できました。
遠くにいてもいつも私たちのことを気にかけてくれる優しいおばあちゃん。
写真に写るおばあちゃんを見て急におばあちゃんに会いたくなってしまいました。
今年のお盆は帰れなかったけど、また年末には会いに帰ろう。
まだまだおばあちゃん孝行をいっぱいしなくっちゃ。
だから、これからもずっとずっと元気でいてね、おばあちゃん!