STORY
パパへの誕生日はプレゼントを集める仕掛けの宝探しサプライズ!
ハイボールが飲みたいパパの欲しいものは炭酸水メーカー
私の名前は潮田咲。
建築資材のルート営業をしている夫・誠一と、年中になる娘・心菜の三人暮らしをしています。
さて、この夫がある日の食事時、しみじみと呟きました。

「最近知ったんだけど、俺、会社でウィルキンソンの炭酸水ばっかり飲んでるから、ウィルキンソンさんというあだ名がついているらしい」
「誰に聞いた噂なの、それ」
確かに夫は炭酸水を愛飲しています。飲み物には炭酸の刺激がほしいタイプなのです。
「経理の新入社員なんだけど、俺の名前を聞いてもピンと来なくて、ウィルキンソン飲んでいる人といったらピンときたらしくて、それ以来、経理まわりでは俺のことをウィルキンソンさんと呼んでいるらしい」
首をひねる夫に、私は思わず笑いだしました。
「でもなんで会社ではウィルキンソンなの? 家ではスーパーで箱ごと売っているお買い得炭酸水を飲んでいるのに」
「家でもウィルキンソン飲んだら高くつくでしょ。ああでもあれほしいよね、炭酸水メーカー。あれがあれば飲み物はなんでも炭酸にできるんだよ。重い箱を運ばなくてもいいし、ペットボトルのゴミも減らせるし。ハイボール作りたい」
「パパごほんよんで」
先に食べ終わっていた娘の心菜が絵本を持って割り込んできたので、会話はこれで終了。
確かに夫の消費する炭酸水のペットボトルはかなりの本数。
かさばって邪魔だなと感じていたのは事実だし、そういえばもうすぐ夫の誕生日でもあるので、炭酸水メーカーについて調べてみることにしました。
炭酸水メーカーは、炭酸ガスを飲み物に入れることで炭酸飲料にする機械のこと。
強炭酸から弱炭酸まで、強さを選べること。
1本のガスシリンダーで500mlペットボトルが100本以上作れること、値段にすると1リットルあたり十数円になること……。
夫の消費量から考えれば、モトを取ることはできそうです。
そう高いものでもないですし、夫の誕生日にはこれを買ってあげようかな?
幼稚園の七夕祭りの話からサプライズアイデアを思いつく
娘・心菜が通う幼稚園では毎年7月の初めに、保護者も参加しての七夕祭りが行われるのですが、今年は感染症対策のため、園児だけで七夕祭りを行うとのこと。

「おゆうぎしつで、宝さがしをしたんだよ」
七夕祭りがあった日、心菜が楽しそうに教えてくれました。
「お部屋のあちこちに数字があって、クイズがあって、あたるとおかしがもらえたんだよ!」
宝探しというよりスタンプラリー的なもののようですが、5歳の娘には楽しかったようです。
「それはよかったわね」
娘の話を聞きながら、夫の誕生日プレゼントは宝探し形式にしてみようかな、と思いました。
まず、最初のヒントを書いたカードを渡します。
それを元にひとつめの宝物とふたつめの宝物のヒントが書かれたカードを見つけてもらい、三つめを探していき、最終的に全部の宝物がそろう…というもの。
プレゼントとして用意しているのは炭酸水メーカーだけですが、夫はこれでハイボールが作りたいと言っていたので、途中にグラスやウイスキーも用意しておいたら楽しいだろうなと思ったのです。
夫だけが楽しくてもしかたがないので、心菜も楽しめるようにカルピスも用意することにしました。
そうなると、隠す場所も確認しておかなければなりません。
こっそり購入した炭酸水メーカーを箱から取り出して「隠すなら……」とうろうろ家の中を探すのは、私もちょっとわくわくしました。
宝物を隠す場所や宝物を確認して、いざ誕生日サプライズ。
宝探しゲームをパパの誕生日サプライズにアレンジ
夫の誕生日は平日だったので、前倒して直前の日曜日に誕生日会を開くことにしました。
夫がいるとサプライズの準備ができないので、夕方ちょっと夫に頼んで心菜と散歩してもらいます。
その間にヒントを書いたカードと一緒に宝物を隠し、晩ご飯を支度。
あらかた準備が整った頃に夫と心菜が帰宅したので、
「少し早いけどパパの誕生日パーティーを開きたいと思います。でも、すぐにプレゼントを出してしまうと楽しくないので、隠しました。ヒントをもとに、二人で探してください」
と一枚目のヒントカードを差し出しました。
「宝探し!」
幼稚園で宝探しをやったばかりの心菜が喜びます。
「パパ、なんて書いてあるの?」
私から一枚目のカードを受け取った心菜が、夫にせがんでヒントを読み上げてもらっていました。
私が隠したのは、5つ。
- カルピス
- ウイスキー
- 二人のグラス
- 炭酸水メーカー
- 誕生日ケーキ
カーテンの裏や引き出しの中、クローゼットの隅っこなどに隠していたので、二人でばたばた開け閉めしながら、宝物を探していきます。
基本的に全部リビングに隠したので、宝探しの様子は食卓を用意しながらでも確認することができました。
「わあ、カルピスあった」
「パパのお酒が出てきた」
「心菜とパパのコップが出てきた」
「あっ、これパパが欲しかったやつ。すごい!」
夫が私を振り返って笑いました。
「これがあるとどうなるの?」
心菜が夫に聞いています。
「いろんな飲み物がシュワシュワになるよ。心菜のカルピスもシュワシュワにできるよ」
そして最後に冷蔵庫を開けて、誕生日ケーキをゲット。

「わあ~すごい!」
大きなケーキの箱に心菜が大喜びしました。
「これで宝物は全部です。さっそく使ってみようか」
私が言うと心菜が万歳をします。
「いつ買ったの、これ?」
夫に炭酸水メーカーの取扱説明書を手渡すと、しみじみと聞いてきました。
「内緒。これがあれば、重たい箱を運ばなくて済むし、ゴミも減らせるよね。水筒に詰めて持っていけば、ウィルキンソンさんから卒業できるんじゃない?」
私が言うと、夫が笑いました。
「元ウィルキンソンさんって言われるだけだと思うよ」
我が家に登場した炭酸水メーカーで早速、夫は念願のハイボール、心菜はカルピスの炭酸割、私はただの炭酸水を作って、誕生日のお祝いをしました。
宝探しサプライズは手間もそんなにかからないのに楽しめたので、またやりたいと思います!