STORY
【こんなにかわいいイタズラははじめて!】彼女に仕掛けられたハロウィンでのサプライズ
彼女とのハロウィンサプライズの思い出
僕には、付き合ってもうすぐ2年になる同い年の彼女がいます。
しっかり者でお茶目で、とってもかわいい自慢の彼女です。
そんな彼女から、イタズラサプライズを仕掛けられたのは去年のハロウィンの日。
ただのノロケですが、最高な思い出となった彼女からのサプライズエピソードを聞いてください。
当日は彼女の部屋でのんびり過ごす予定でした。
17時までバイトが入っていて、部屋に到着したのは18時頃。
部屋で待つ彼女のために、お気に入りのイタリアンでテイクアウトしたパスタとサラダを手に、急ぎ足で部屋へ向かいました。
ピンポーン
チャイムを押すといつも通り、笑顔で出迎えてくれる彼女。
くしゃっとした笑顔で、
「おかえり」
と言ってもらえる瞬間が、一気に疲れが吹き飛ぶような気がして大好きなんです。
「早速食べようか!」
できたてのパスタをテーブルに並べていただきます。
僕たちはイタリアンが大好きなのであっという間に完食!
空になった容器を片付けると食後のまったりタイムです。

「お風呂洗ってくるね~」
と席を立つ彼女。
「ありがとう! じゃあ食器は僕があとで洗うね~」
と声をかけ、ソファーでテレビを眺めていました。
テレビに映るのは人気漫才師。
スピード感のあるボケとツッコミに引き込まれ、気付けば笑いが止まりません。
「あはは! あははっはははは!」
と部屋中に響き渡るぐらい大笑いしていたときでした。
……パチ!
という音とともに部屋の電気がすべて消灯。
もちろんテレビも何もかも。
急に暗くなった部屋の中、彼女はどこに!?
「え…?! ブレーカー落ちた? ねえ、ゆかり大丈夫?!」
慌てながら彼女の元へ向かおうとしましたが、暗闇で方向が分かりません。
彼女の声もしません。
何かあったのではないかと心配になりながら 、
「ねえ、ゆかり。大丈夫? ブレーカーどこかな?」
と冷静を装いながら声をかけ続けます。
それでも彼女の返答はありません。
なんとか部屋のドアまでたどり着いたとき、やっと暗闇に慣れた僕の瞳に、ぼんやりとした人影がうつりました。
「ああ、いた。よかった」
と言いながらドアを開けると、白いお面を付けた黒い服の人間が立っています。
声も出ないほど驚いた僕はただ立ち尽くしてしまいました。
『え? おば……け?
……あ! そうだ! 今日はハロウィンだ!!
きっとお化け屋敷的な感じで驚かすつもりなんだ……
いやでも僕、怖い系ほんと苦手なんだよ……どうしよう』

お化け屋敷やホラー映画が大っ嫌いな僕にとって、この時間は“恐怖”でしかありません。
『こういうの苦手だってちゃんと伝えておけばよかった』
そう後悔しかけたとき、予想とは正反対なことが起こります。
パチっという音とともに、いきなり雰囲気が変わる彼女の部屋。
陽気な音楽と一緒にトリックオアトリート!
目に映るのは、真っ暗な部屋にキラキラと光る小さなライトです。
まるで部屋の中にイルミネーションがあるかのようなきらめき。
つい目を奪われます。
タッタラランタッタッタラタラタ♪
そして聞こえてくるのは、まさかのディズニーランドで行われるハロウィンパレードのBGMではないですか!
しかも結構ノリノリなやつ!!(笑)
「ん?! ……え?」
混乱する僕の前に現れたのは、かわいい魔女のコスプレをした彼女です。
キラキラ輝くかわいい魔法のステッキを持って、
じゃーん!
と古風に登場。
(かわいい)

「ビックリした?」
と聞かれ、
「う……うん」
と戸惑っていると、
「トリックオアトリート~」
とうれしそうにハニカミます。
白い仮面は、仮面舞踏会なんかでよく見る、目元だけの仮面だったみたい。
「トリックオアトリート」
と言いながらお菓子を手渡してくる彼女に、
「いやいや、トリックオアトリートを言うのはお菓子もらう側でしょ(笑)」
と吹き出すと、
「いらないならいいでーす」
と頬を膨らませる彼女。
話を聞くと、1週間前からイルミネーション用の室内ライトや衣装の準備に奮闘していたのだとか。

「とにかく雅人をビックリさせたくって。
はじめて過ごすハロウィンを忘れられない1日にしたかったんだ。
子どもの頃のクリスマスぐらい、今日が楽しみだった!」
そんな言葉を聞いたら、もう抱きしめる以外ありません。
「何その姿。かわいすぎでしょ」
してやられました。
まさかホラーだと思わせて、こんなかわいい仮装でイルミネーションを見せてくれるなんて。
こんなかわいいサプライズははじめて!
ハロウィンってただ仮装して街へ繰り出し、ワイワイ楽しむだけのイベントだと思っていたのに、まさかこんなに幸せな思い出になるなんて。
今でも思い出すたびにクスッと笑ってしまいます。
今年は僕が彼女をビックリさせようと作戦を練っていますが、きっと去年の彼女を超えることはできないでしょう。
とりあえず、彼女の大好きなお菓子にディズニーランドのチケットを忍び込ませて渡そうかな。
今年はちゃんと「トリックオアトリート」って、僕にお菓子をせがんでくれたらいいのですが(笑)