STORY
【結婚披露宴でのサプライズスピーチ】プレゼンテーションで新郎を紹介!
結婚する親友から友人代表スピーチ依頼が。
僕は31歳の会社員。ソフトウェア開発会社の営業職。
最近は働き方改革の影響もあり残業は減少傾向にあるが、相変わらず企画書や提案書の作成に追われ、忙しい日々を過ごしている。
そんなある日、来月結婚する親友の斎藤真治から友人代表スピーチの依頼が。
彼とは中学校の同級生で15年以上の付き合いだ。お互い性格を知り尽くしているし沢山の思い出もある。また新婦の優子さんと3人で食事をしたこともあり引き受けることにした。
スピーチの内容をどうするか。。。
披露宴まで約1か月。スピーチの内容を考えなければ。。。と思いながらも日々の仕事に追われ、商談中案件のプレゼンテーション資料を作成していた。
とその時、プレゼン!? 提案書!? とひらめいた!
そうだ!! 友人の立場から、真治を紹介するプレゼンテーション形式でスピーチしてはどうか!仕事柄、提案書作成とプレゼンは慣れている。あとは新郎のセールスポイント!?をピックアップすれば・・・
すぐにでもスピーチ用の提案書作成に取り掛かりたかったが、まずは目先の仕事を片付けることに。
紹介アプローチは「USP( Unique Selling Proposition)」
新郎を紹介するプレゼン資料作成にとりかかった僕は、まずアプローチ方法を検討。
マーケティング用語で「USP(Unique Selling Proposition)」というワードがある。 「自社が持つ強み」という意味だが、単なる強みだけでなく「顧客に対して、自社のみが約束できる利益」を指す。
つまり、スピーチ内容に変換すると
「真治が持つ強み」
「新婦 優子さんに対して、真治だけが約束できる特典」
ということになろうか。
このUSPを切り口に、プレゼン資料を作成することとした。
中学時代の記憶をたどり、斎藤との思い出や彼の性格など、さまざまな観点からネタをピックアップ。その中から個人的に思い入れがあるエピソードを組み合わせて、資料作成を進めた。
結婚式当日
ノートPCとプロジェクター、そしてスクリーンの準備を式場に依頼した僕は、USBメモリにプレゼン資料を入れて式場へ。
披露宴が始まり、新郎新婦入場の後、映像で二人が紹介され、とても素敵な演出だなと羨ましく感じた。
ウェディングケーキ入刀、祝辞・乾杯挨拶、お色直しから新郎新婦のテーブル回りと順調に進み、いよいよ余興の時間となった。
僕はセッティングされたノートPCにUSBメモリを挿し、プレゼン資料を開いた。
1ページ目には、簡単に自己紹介を記載し、新郎との関係を説明。そして、スライドした2ページ目のタイトルは
「新郎 斎藤真治君が優子さんに対して約束できること」

ここで会場にどよめきと笑いが。 ツカミはまずまずだ。
では最初の約束です。
「吸引力の変わらない、ただ一つの掃除機」はダイソンですが、
「愛情の変わらない、ただ一人の男性・・・ それは斎藤真治君です」

会場内には笑顔が見える。ダイソンUSPのパロディーだが、まずまずのウケだ。
そして、なぜ愛情が変わらないのか、彼のまじめで一途な性格、同性に対しても律儀で、僕のように中学時代からの友人と長年の付き合いができることを紹介した。
2つ目は、「お値段以上」はニトリですが、
「ビジュアル以上 シンジ」

ビジュアルもいい真治君ですが・・・と前置きし、一見おとなしそうに見える真治だが、中学時代は生徒会長に立候補し、わずか1票差で落選。その後、副会長としてリーダーシップを発揮したエピソードを紹介。
すると真治から落選した原因について、僕ともう一人の友人が学校をさぼって映画を観に行き、投票しなかったことを暴露。会場は爆笑の渦に。
そして最後に、「結果にコミットする」のはライザップですが、
「家族の幸せにコミットする 斎藤真治です!」

最後はまるで選挙活動のような終わり方になってしまったが、当初の目的である友人の立場から真治のUSPを紹介することはできたかなと。
お二人とも、末永くお幸せに。
後日、二人の新居を訪ね、お祝いのプレゼントとして「ダイソン コードレス掃除機」を贈った。吸引力も愛情も不変なので(笑)