STORY
【クリスマスの宝探し】家族が仕掛けたサプライズで楽しいクリスマスを
クリスマスは家族でパーティーを
私の家族は、妻と、6歳と4歳の息子2人。
いつも仕事で帰りが遅いので、なかなか息子たちと一緒に過ごす時間が取れないですが、今年のクリスマスは家族で過ごそうと1ヵ月前から約束しています。
この日のために、仕事をため込まないよう必死で働き、同僚にも協力してもらいました。
「7時までには帰るからね」
そう言って家を出たものの、もう既に6時半……
焦る気持ちを抑えながら、残りの仕事を片付けました。
静まり返った家の中に息子からの謎のメッセージ
なんとか仕事を終え、「今から帰るよ」と連絡を入れた後ダッシュで帰宅しました。
しかし、すでに時間は7時20分。
「あー、遅くなっちゃったな……」
もうきっとハラペコだよな、とか、まずしっかり謝らなきゃだな、とか、いろいろ思考を巡らせながら家のドアを開けました。
「ただいまー………」
あれ??
いつもならすぐに駆け寄ってきてくれるのに。
それどころか、物音が全然しない……
怒ってるのかな?
と、申し訳ない気持ちと悲しい気持ちがこみ上げてきたところで、足元に何か置いてあるのに気がつきました。
そこには、雪だるまのぬいぐるみと息子からのメッセージが置かれていました。
「おふろのどあをみなさい」
「なんだ、これ……笑」

果たし状のように殴り掛かれたメモに従い、お風呂場へ進み、ドアを確認。

「ままのくつのしたをみなさい」
次は、靴箱を開けて妻の靴の下を確認。
その次は、トイレのドアの裏側。
次は、2階への階段の踊り場。
ひとりぼっちで宝探しをする30過ぎのおじさんの姿は、かなりシュールで笑えてきましたが、とにかくこの家で何かが起こっているようだな、と指示に従い続けました。
メッセージを頼りに進んだ先には何が?
踊り場に書かれた指示に従い子ども部屋へ向かい、おもちゃ箱を開けると、
「これを着なさい!」
と書かれた紙を発見。
その下には、真っ赤なサンタクロースの衣装……。
ひとりぼっちでサンタクロースに着替える30過ぎのおじさんの姿。
またしてもシュールだな、とひとりで笑ってしまいながら、衣装の下に隠れていたメモに従い、次はリビングへ。

宝探しの先に隠されたサプライズプレゼントとは
リビングに行くと、電気はついておらず真っ暗。
いつも温かい笑い声の響くリビングが、しーんと静まり返ってる様は、物寂しく冷たい印象です。
恐る恐る電気をつけてみると、
ダイニングテーブルの上に、赤いボックスが置かれていました。

その箱を開けると、サンタやトナカイが飛び出してきて、中には手紙が入っていました。
『ぱぱ いつもありがとう』
『ぱぱ だいすき』
そこには、息子たちが描いた私の似顔絵とメッセージが。
その横に入っている封筒を開けると、妻からの手紙が入っていました。
『パパ、いつもお仕事お疲れ様。
疲れているのに、休みの日は子どもたちとたくさん遊んでくれて本当にありがとう。
パパはいつも家族のことを一番に考えてくれて、そんなパパと一緒にいれて私はとても幸せです。
これからも、家族4人で仲良く楽しく暮らしていこうね。
メリークリスマス☆』
突然の息子と妻からの手紙に、私は目頭が熱くなるのを感じました。
すると、突然!
「パパ~!!
メリークリスマス~~~!!」
隣の和室から、妻と息子が飛び出してきました。
3人とも、真っ赤なサンタクロースの衣装に身を包んでいます。
目に涙をためた私を見て、
「びっくりしたでしょー?」
と、長男がニヤニヤしています。
「お兄ちゃんとママと一緒に準備したんだよ!」
下の息子も、やっと声が出せるといつもにも増して大きな声で嬉しそうに伝えてきました。
クリスマスパーティーをしようと約束した日から、3人で私を驚かせる作戦を練っていたようです。
あー、だから帰る前に連絡してね! っていつもより強めに言われてたのか……笑
「パパ。お仕事お疲れ様。
お腹空いたでしょ。ご飯にしましょ」
それから、家族4人でクリスマスパーティーをしました。
妻が準備してくれた夕食を囲んで、笑い声の響く温かいリビングの空気を感じながら、しみじみと家族の大切さを改めて実感しました。
息子たちと妻がくれたサンタボックスは、私の大切な宝箱になりました。