STORY
【自動車運転からの卒業】祖父を決意させた孫娘からの感謝のサプライズ
他人事とは思えなくなった高齢者事故
また高齢者による悲惨な交通事故が起きた。
原因はアクセルとブレーキの踏み間違い。 高齢化時代の大きな社会問題となっている。
私の父は73歳。
運転歴45年を超える大ベテランだ。
地方都市に住む私たちにとって、自動車という交通手段は必要不可欠。
定年退職後も買い物や通院、地域の行事などで車の運転は日常のものとなっている。
しかし、高齢者事故のニュースを見るたびに他人事とは思えなくなってきた。

何気なく進めてみる免許返納
そんなある日、父になにげなく話してみた。
私「また高齢者による事故が起きたね。」
父「なんでアクセルとブレーキを踏み間違えるのかな。」
とまるで他人事。
私「事故が起こってからでは遅いから免許返納も考えたほうがいいんじゃない」
と軽くアプローチ。
父「車が乗れなくなったら困るだろ」
と予想通りの返答。
私「そうだね。。。」
この日はこれ以上言うのはやめておいた。
免許返納後の移動手段は?
現実問題として免許返納後の移動手段をどうするか。
幸いスーパーも病院も3km圏内にある。
雨の日や遠出の際はバス、あるいはタクシーもしくは曜日・時間帯によっては私たち夫婦の送り迎えで対応するとして、普段の生活は自転車でどうだろうか。
いろいろと調べてみると
「公道を走れてちょい乗りに便利な自転車とスクーターを組み合わせたRipples!(リップルズ)」
という電気スクーターを見つけた。

リップルズは原付バイクと異なってべダルがついており、電動走行だけでなく電動+ペダルで両方のパワーを利用した力強い走りができるという。
最高速度は時速25km(バイクモード時)で、つらい坂道もラクラク移動が可能とのこと。
また、重量はわずか20.5kgの軽い車体でシニアでも安心・安全に走行できるようだ。
父だけでなく母でも運転できそうだ。
またボディ部分の折りたたみ機能をあえて省き剛性を確保。ハンドル部分だけを折りたためるようにして簡単収納・高強度な乗り物となっている。
もちろんガソリンを使わないCO2排出量がゼロのエコな乗り物だ。
孫からのサプライズ
さて、車に代わる移動手段は見つけた。
あとは父親をどうやって説得するか。
妻に相談してみると、父には孫が一番と言い出した。
私の娘は高校生。
中高一貫校のため中学校時代から10kmほど離れた学校へ自転車&電車で通学していた。
そのため、雨の日や部活動の朝練日は父に送迎を頼んでいた。
通学だけではない。
塾や土日の部活など、私たち夫婦に内緒でこっそり父に頼んで楽をするというずうずうしさの持ち主。

娘に事の経緯を説明すると協力したいとのこと。
娘なりにアイデアを考えてくれた。
いよいよ免許返納を切り出す日
私から「 公道を走れてちょい乗りに便利な自転車とスクーターを組み合わせたRipples!(リップルズ) 」を紹介。
車に代わる移動手段を提示した。
父は今一つ乗り気ではない様子…
そこへ娘がプレゼントのような箱を持って登場し父に渡した。
父が箱を開けてみると…

花束の絵に「Thank you」と書かれたポップアップが。
その周りには娘の小学校入学式写真、卒業写真、中学校入学写真、卒業写真、そして高校入学式の写真が切り貼りされていた。
そして今までの感謝の気持ちを綴った手紙を読み始めた。
学校の送迎をしてくれたことへのお礼、これらは自転車で通学する誓い、そして免許返納のお願い。
といった内容。
そして箱の中にはプレゼントが。
取り出してみると耐久防水レインスーツだった。
これには父も感極まった様子。
息子の心配より孫からの思いやりが決定打となり、父は前向きに検討すると言ってくれた。
1カ月後
いろいろと検討した結果、免許返納とはならなかったが、
愛車を買い取ってもらったお金で Ripples!(リップルズ) を購入し、今ではお気に入りのスクーターとなっている。
運転に少しでも危険を感じたら乗るのをやめて免許返納するという約束だ。
車に代わる移動手段は重要な問題。
今後、自動運転の進化や安価な乗り合いサービスの充実、買い物支援の無料バスなど、生活支援インフラの発展を祈るばかりです。