上京して一人暮らしを始める弟に仕掛けたサプライズ就職祝い
実家暮らしの4歳年下の弟が大学を卒業し、就職で上京することになりました。
姉の私は既に東京で社会人をしているので、引越しの手伝いに行くことに。
ちょうどいいから、就職祝いをこのタイミングで渡すことにします。
これは社会人になる弟に仕掛けたサプライズ就職祝いのアイデアです。
部屋探しを手伝ったワンルームは、業者さんが運び入れてくれた荷物でいっぱい。
あとは荷ほどきをすれば暮らせるようになります。
「そうだそうだ、忘れないうちに就職祝い渡しておくね」
業者さんが撤収したタイミングで、私は弟に就職祝いを渡すことにしました。
私が選んだプレゼントは「フットレスト」。
本来はイスの下などに置いて足を安定させるものですが、このフットレストはふかふかの触り心地でちょっと腰かけるのにもぴったりな代物です。
「この部屋、ワンルームでテーブルセットがないから、こういうものがあると便利だと思って」
「確かに、そうかも。ありがとう」
私の言葉に弟が素直にうなずいてフットレストを受け取ってくれました。
「ところで、そろそろお昼だから何か買ってきてよ。その間、私は荷ほどきしているから」
「わかった」
私の要求に応じて弟が素直に部屋を出ていきます。
実はこれ、サプライズのための仕掛け。
就職祝いは私からだけではなく、母からも預かっているのです。
これを使ってサプライズを仕掛けようと思います。
弟が出かけている間に、母から預かった「弟が好きな料理の簡単レシピ」を玄関からフットレストまでの間に並べていきます。
実はこれ、母が弟のために書いたもので、レシピのほかに母からのメッセージなども添えられています。
一ページずつばらばらにできるタイプのスクラップブックを渡して、母に書いてもらいました。
そしてレシピを一枚ずつ拾っていくと、先ほど渡したフットレストの上にセットしたジタルフォトフレームから、母のメッセージが流れる、というのが今回のサプライズ・アイデア。
メッセージの再生は、部屋の隅に隠れていた私がリモコンで操作します。
フットレストの上にフォトフレームをセットして部屋の片隅に隠れていると、戻ってきた弟が不思議そうに立ち止まり、一枚ずつレシピを集めていく音が聞こえました。
そしてフットレストの前に立ち止まったので、フォトフレームにセットした動画をリモコンで流します。
動画再生中、フォトフレームを弟がじーっと見ている姿をわくわくしながら部屋の端っこから観察していたら、弟がぐりんと私のほうを向くではないですか。
私のほうがちょっとびっくりしてしまいました。
「あら、私に気付いていたの?」
「最初から気付いていたよ、隠れるのならもう少し端っこに隠れないと」
「そうするとあんたが見えないから、操作のタイミングがわからない」
私がリモコンを見せると、弟がきょとんとしたのち、笑い始めました。
「感動した?」
私が聞くと、
「めっちゃ感動した」
弟が頷きます。
うん、大成功!
母の想いを込めたメッセージとレシピ集をプレゼント
なぜ私が母からのレシピをもうひとつの就職祝いとして選んだのか?
思いついたきっかけは、弟の引っ越しが決まり、実家の母と電話で話していた時のことでした。
「あの子、一人暮らしは初めてだから体のことが心配よね。きちんと食事をとってくれるかしら。出来合いのお惣菜が苦手だから、栄養が偏りそう」
「だったらお母さんが、簡単に作れる料理のレシピ集を作ってあげたらいいんじゃないの?」
「そうねえ……それもいいかもしれないわね」
「作り方がわからないようなら、動画にするとか。私、今度帰省した時に撮ってあげようか?」
「動画ねえ……いいかもしれないわね」
という話をしたので、まずは自分で何か簡単なものでレシピ動画を作ってみようと思ったのですが、案外手間や時間がかかって、あっさり断念。
しかし、動画のインパクトは大きいなと気付いたので、案を一部変更。
母からの動画メッセージとともにレシピを渡すことを考えつきました。
で、どうやって動画とレシピを渡せばいいのでしょう?
同じタイミングで渡したほうが効果的なんだけど、レシピを渡して動画を転送する、とかじゃあんまりにも味気がないな…と考えているうちに思いついたのが、一枚ずつばらばらのレシピを拾いながらたどっていくと、動画メッセージにたどりつく、というもの。
就職祝いサプライズに必要な準備は?
一枚ずつばらばらになる、比較的しっかりしたノートということで見つけたのが、一ページずつばらばらにできるスクラップブックでした。
そして動画は、私が撮影したものを直接見せたり弟に転送したりするのでは味気なさ過ぎます。
またタイミングよくレシピを拾ってたどり着いた先で動画再生を始めたかったので、リモコンで操作できるようなものがいい……。
ということで、見つけたのがデジタルフォトフレーム。
これは、リモコンでの操作が可能です。
用意したスクラップブックを実家に送って母にレシピを書いてもらい、帰省のタイミングで動画を撮影し、準備完了です。
動画は私が撮影したのですが、母もやっぱりちょっと照れ臭かったとのこと。
でも、動画のインパクトは大きいので、本人に面と向かって伝えにくいメッセージは動画で伝えてみてはいかがでしょうか?